きょう、1月1日から 〈タンポン税〉が今までの20%から、5.5%に引き下げられる。国民議会は昨年12月、生理用品を「生活必需品」と見なし、付加価値税TVAの軽減税率5.5%を適用することを承認した。
昨年10月、同議会は一度は引き下げを却下した(オヴニー11/1号N° 796 )が、12月になって承認するという、引き下げ派の「逆転勝利」の形となった。
「同じ経歴の男女でも、女性の収入は約27%低く、女性の生活必需品にTVA20%を課すのは不平等を拡大する」として、Georgette Sandなどの女性権利団体は、昨年2月から生理用品の税率引き下げを訴え賛同者2万7千人の署名を集めたり、国会前などでの抗議活動を行ってきた。
同団体は、今回のタンポン税引き下げを「不平等の是正がなされ、誇りに思う」と、讃える一方、「税の引き下げが、生理用品の値下げにつながらないと意味がない。製造・流通業社が値下げするよう見守っていく」と、生理用品の値段の推移を調査していくことをサイトで発表。一般市民に調査への参加を呼びかけている(*)。民放カナルプリュス局の記者は、ひとりの女性が一生で生理用品に費やすお金は約2000ユーロと算出している。
フランスのTVA税率は4段階。20%(標準税率)、10%(軽減税率)、5.5%(軽減税率ー生活必需品)、2.1%(特別税率)、しかし他国と同様、その線引きには矛盾や例外など不可解なものが多い。
フランスも日本も激動の2015年だった。民意が無視された年でもあった。タンポン税引き下げは、市民運動が議会を動かした喜ばしいニュース。こんな朗報が続出する年になってほしいと思う、きょう元日です。本年も、ご愛読よろしくお願い申し上げます。(集)
* Georgette Sand
http://www.georgettesand.org/
フランス政府 (財務・公会計省)
http://www.economie.gouv.fr/cedef/taux-tva-france-et-union-europeenne