学生さん、がんばって!


学食1€、人情バーガー店…大学生を応援するフランス社会。

寒空の下、学生が市民団体の食料配給所前で長蛇の列を作っている。
2021年のフランスでこんな光景を見るとは…。
コロナ禍の学生さんたちの「ごはん」を取材した。


ベジタリアン・メニューだって1€。パリの学食。
マビヨンの学食で。

スパゲッティ・ミートソース。スペインから国際関係を勉強するために留学中。

 フタを開けるとフワ〜ッと湯気がたち、なかにはミートソース・スパゲッティ。前菜はレンズ豆のサラダ。ヨーグルトにパン。マビヨンのCROUS(大学厚生事業センター)前で、紙のランチバッグを持った学生さんたちに中身を見せてもらった。

栄養のバランスのとれたこの温かい食事が1€(うらやましい…)。マクロン大統領は1月、若者支援策として、奨学生に限られていた1€の食事を奨学生でない大学生でも1日2回食べられるようにした。今月8日には学生食堂も再開。さらに外出禁止の18時以降でも学食によっては20時まで開け、テイクアウトできるように。

フランスの学食では2017年から1日に一品はベジタリアンの食事を出すことになっている。ベジ・ランチを選んだ男子の主菜は鶏の細切りaiguillettes de pouletフライをもじったaiguillettes de blé”麦棒フライ”(小麦粉タンパク質ベース)。プレ(鶏肉)とブレ(麦)、料理名にはダジャレのスパイスが効いていた。

CROUS Mabillon
パリ政治学院の学生さんは、ベジタリアン・メニュー。”麦棒フライ”(チキンフライ風)メキシカン・ソース。植物性エマンタールチーズとキャベツ、スパゲッティ。レンズ豆サラダ。
ヨーグルト。


ポール・ロワイヤルの学食へ。

ポール・ロワイヤルの学食でお昼を買い、リュクサンブール公園でお昼ごはん。ディワさん(左)とダナさん(右)。ふたりともレバノンからの留学生。法律を学んでいます。
左:メキシコ風牛肉煮込み。レンズ豆のサラダ。
右:メルルーサ(白身の魚)のレモンソースがけ。 根セロリのサラダ。

人情バーガー屋〈l’Etoile de Fès〉。

 イヴリーヌ県マントラジョリ市。住宅地の一角にある「フェズの星」(2 av. Geo André 78200 Mantes-la-Jolie)の店主ブライム・ブルキアさん(28歳)は、マクロン大統領がパリ郊外の大学のキャンパスで学生と対談するのをテレビで見て、食費もない学生がいて、なかには自殺を考える人もいることを知った。

即座に自分のツイッターに、「食事できないから死のうなんて学生さん、来て下さい。暗い気持ちのままひとりで閉じこもっていないで」と投稿。1日に10〜15人ほどが、バーガーやタコスとポテトのセットを無料で食べに来る。学生証は不要。実際には学生ではない人にも食事を提供しているのだ。

「Burger suspendu」も2年前に始めた。お金がある人は自分のバーガーのほかにバーガーの代金を払っておく。お金が払えない誰かがそれでバーガーを食べられるシステムだ。ブライムさんは父親のレストランで仕事を学び4年前にこの店を開いた。父親もお金がない人に無料で食事を出していた。

「私たちはモロッコ系フランス人、そしてムスリム。お金がないから食べさせないなんて出来ません」。持つ者は持たない者に分け与える。イスラームの教えを実践しているだけ、と言う。家庭の教育、文化、宗教、育った環境で育まれた価値観だ。ブライムさんのツイッター投稿はあっという間に広がり、国内のテレビ番組に招かれ、モロッコのニュースでも紹介され、一躍、時の人に。「経済的には大変。でももっと困っている人もいる」。今晩はパリのホームレスの人たちにバーガー100個を届ける予定だ。

「はい、チーズバーガー!ボナペティ!」
スタッフのシハブさん。
「ブライムがこの町を宣伝してくれて嬉しいよ!」
近くで働く常連さん。パニーニを買いに。

他にも、こんなイニシアティブが。

大手スーパーIntermarché広告。学生に20€の買い物をすれば10€の商品券をプレゼント。これに続いて、Leclercも、学生のためのランチセットを3€以下で提供すると発表した。

 

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