ロバート・アダムス「私たちの生活と子どもたち」

Robert Adams, Sans titre, Our Lives and Our Children, 1979-1982 © Robert Adams / Collection Centre national des arts plastiques/ Photo : Yves Bresson. MAM SaintÉtienne Métropole, courtesy Fraenkel Gallery, San Francisco and Matthew Marks Gallery, New York

Robert Adams “Our lives and our children”

 郊外のスーパーでカートを押す親子、ベビーカーに子どもを乗せた母親…ここにあるのはアメリカ人の平凡な日常だ。ハッとするような場面はどこにもない。拍子抜けして説明を読むと…「コロラドの州都デンバーから16キロの地点にあった核兵器工場周辺の住民を1979年から82年まで撮った」。

 工場では200回以上火事が起きたという。1957年の火事のときは、外部にプルトニウムを含んだ煙が拡散してデンバー郊外で出生異常とガンが異常に増えた。アダムスは少年時代から家族とコロラドに住んでいた。70年代のある日、工場から煙が見えたとき、核の事故が破壊する風景をとどめておこうと、このシリーズの写真を撮り始め、1983年に写真集を出した。

「人類が核兵器を離さない限り、起こりうることはいつか起きるだろう」とアダムスは言う。福島原発事故が風化しつつある今、核で何を失うのかを忘れないように、見ておきたい展覧会だ。(羽)


Fondation Henri Cartier-Bresson

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