地下に降りると、ガラス越しに収蔵庫や修復の部屋が見える。芸術作品の保存の裏側まで見せるのは、市民に芸術をより身近に感じてもらいたいという配慮から。毎週、収蔵庫に入る見学ツアーもあるので、興味のある方は事前予約をしてから出かけよう。
帰りは赤煉瓦造りの町並みを味わいながら、そぞろ歩きも楽しい。随所に炭鉱の町の名残も見てとれる。歴史的建造物に指定されるアール・デコ調のジャン・ペラン大学(Rue Jean Souvraz)の建物は、元炭鉱会社の事務局。幾何学的な構成のフランス式庭園は誰もが入れる市民の憩いの場で、庭には炭鉱夫の像。炭鉱夫の働く姿をレリーフに刻んだ炭鉱夫労働組合の家(32 rue Casimir Beugnet)のファサードも、レトロモダンな味わいで一見の価値がある。(瑞)
INFORMATION
■ Louvre-Lens美術館
99 rue Paul Bert
62300 Lens
www.louvrelens.fr
■ 交通
パリ北駅からTGVで約1時間10分、アラス駅経由で約1h20分でLens駅に到着。Lens駅からは美術館まで徒歩20分。または30分に一回発車する無料バスもある。
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