”La vie céleste” Case Scaglione – Ruby Hughes
グスタフ・マーラーの交響曲というと、情熱がほとばしる第1番『巨人』や第2番『復活』にファンが多いが、マーラーの弟子で指揮者のブルーノ・ワルターが 「天上の愛を夢見る牧歌」と評した第4番も名作。第1楽章では、聴き手は、フルートと鈴がかなでる旋律にのってメルヘンの旅へ。第2楽章ではヴァイオリンが軽快でおどけた旋律を弾き、マーラー得意のパロディ的な雰囲気。第3楽章は、弦楽器によるゆるやかで静かな音の流れが美しいし、聴きどころの第4楽章では、ソプラノ歌手が加わって天国の喜びを歌う。
カーセ・スカリョーネ指揮イル・ド・フランス国立管弦楽団による今回の公演のソプラノは、英国出身ルビー・ヒューズ (写真)。彼女がバロック時代の哀歌を歌った『Heroines of Love and Loss』は名盤だが、あたたかな中音域に支えられたまろやかで澄んだ声は、マーラーのこの曲にもぴったりだろう。「天使の歌声が、心をくつろがし、明るくしてくれ、すべてが喜びのために目覚めている」
ほかに、来日公演も好評だったエマニュエル・チェクナヴォリアンのヴァイオリンでモーツァルトの協奏曲第5番。(真)
29日 20h30。10€~35€。
Philharmonie de Paris
Adresse : 221 av.Jean-Jaurès, 75019 Parisアクセス : M°Porte de Pantin
URL : https://philharmoniedeparis.fr