仏国鉄(SNCF)の長期ストが4月3日に始まり、TGV、Intercitieからローカル列車、パリ首都圏のRERまで大幅な間引き運転。このまま5日間に2日のペースで6月末までストが続けば、95年のような大混乱に…。
ところが時代は変わり、「オルタナティブな交通手段」が脚光を浴びている。2015年に自由化された国内長距離バス路線(通称 car Macron)は年々利用者が増えているが、Ouibus(SNCF子会社)、Isilines、独系 FlixBus は軒並みに予約が激増し、増便も。長距離ライドシェアリング(相乗り)で世界一の Blablacar は、4月の予約は通常の2倍。オファーが需要に追いつかないため、6日から順次パリ=リール/レンヌ/ルーアン間の長距離バスを試験的に運行させるという。
通勤客にとっては自宅と職場間のライドシェアリングが有難い。これまではあまり利用が伸びなかったが、SNCFは傘下のIDVroomをスト期間中、無料にする。予約は伸びる一方で、イル・ド・フランス地域圏が推進する相乗りWebプラットフォーム(Clem’Blablalinesなどが登録)も利用が増えそうだ。3月末には「Autostop-Citoyen」というヒッチハイカー受け入れを表示するステッカーも登場。その他、交通手段ではないが、在宅勤務者も増えるだろうということで、SNCFのストでオルタナティブな交通手段や働き方が発展しそうだ。(し)