Louis Janmot – Le Poème de l’âme
今秋パリでは超大物画家の展覧会が続くが、シーズンの幕開けには、19世紀の詩人・画家ルイ・ジャンモ(1814-1881)の展覧会を紹介したい。敬虔なカトリックで、カトリック精神に基づいた長編詩を書き、その詩の世界を表現した一連の絵画「魂の詩」を1835年から約半世紀かけて創作した。全作品を所蔵するリヨン美術館では、第1部の油彩18点が常設展示されているが、第2部の木炭画16点は展示されていない。本展は全作品が見られる貴重な機会だ。
ジャンモはリヨンで生まれ、美術と並行してカトリックの哲学を学んだ。「魂の詩」第1部はドラクロワの推薦で1855年のパリ万博で展示された。誕生から大人になるまでの男性の魂の成長を描いたもので、彼の分身と言える幼なじみの女性が行動を共にする。
第1部2枚目の「魂の移行」では、主人公の魂が守護天使に抱かれて、生まれるべく地上に降りてくる。「春」では、エデンの園のイヴのように、幼女が男の子をより遠くに遊びにいくよう誘っている。最後の17枚目と18枚目は、大人になった二人が、理想に向かって一緒に空を飛ぶ神秘的な場面で、この作品群の最高峰だと筆者は思う。
第1部では美しい色彩が見る人を夢のような世界に導いたが、第2部は一転して暗い。青やベージュの紙に木炭やパステルを使って、男性の心の葛藤を表している。愛する女性はすでに亡くなっており、男性は誘惑に負けたり、悪の世界に引き込まれたりするが、最後は許され、天上で愛する人に迎えられる。
次の場面がどうなるのか気になって見進み、全て見終わった時は、壮大な叙事詩の世界に入り込んだような気分になった。(羽)1月7日まで。
Musée d'Orsay
Adresse : Esplanade V. Giscard d'Estaing, 75007 ParisURL : https://www.musee-orsay.fr
火-日9h30-18h 木は-21h45。入場料 : 16€/13€/木曜18h以降は12€、EU圏在住26歳未満無料。 毎月第一日曜無料。