小さい時からの家庭教育が大事です。

 斎藤潤さんはパリ16区、リセ・ジャン・ド・ラ・フォンテーヌの国語 (日本語) 教師。このリセは、第一外国語として日本語を選択できるパリ市内で唯一の学校なのだ。単に日本語が学べるというだけでなく、日本の教育課程に基づいた週4 時間の国語と週2時間の社会科の授業を選択できるのも大きな特徴だ。
 斎藤先生は、文部省のREX プログラムと呼ばれる派遣制度により1 年半前にパリにやって来た。先生が受け持つのは、コレージュの6塾e(小学6年にあたる)からリセの1er(高校2年)まで。日本では高校の教壇に立っていた。こちらに来て年少の生徒も受け持つことになり、生徒にポケモンのキャラクターの名前を教わったり、という変化もあった。
 担当する生徒は、両親が共に日本人である家庭の生徒が36人、日仏家庭の生徒が15人。海外で国語を教えるという環境にあって、「母語の大切さ」を感じるという。「言葉の教育は、親の確固としたヴィジョンがないと中途ハンパなものになってしまいがち。小さい時からの家庭での教育が大事です」。両親共に日本人の家庭でもフランスで生まれ育った場合、話せても読み書きが苦手な子供が多い。「話せるのと読み書きは別です。本人が興味を持つように、親御さんが環境づくりをしてあげたらいいと思います」。また、逆に「こちらで育った子供たちは、自分の言葉で自分の考えを伝えるのが上手」
 こちらで驚いたのは、日本では “ゆとりの教育” が浸透してきているのに対して、自由のイメージの強いフランスで、1日の授業が7~8時間、宿題も多いギュウギュウの詰め込み教育が行われていること。先生は、日仏の学校教育の違いを比較する機会を得て、いい教育とは? をますます考えるようになった様子だ。
 任期は7月まで。「帰国後はこの経験を生徒たちに還元したい。君たちは若いんだから、ひとっところに止まっていないで大志を抱け! と言いたい」(里)
*リセ・フォンテーヌでは、5月16日に来年度の6emeへの入学試験がある。