春、芽吹きの季節。普段なかなか土に触れる機会のないパリの子どもたちが、花や野菜の種を蒔こうとモンマルトルの丘の上に集まりはじめる。知る人ぞ知る小さな菜園があるのは、17世紀の歴史ある建造物が残るモンマルトル美術館の中庭。印象派の画家ルノワールがこの地で描いた絵ををもとに設計されたという庭の一角、何もなかった場所をゼロから耕したのは、都会で暮らす大人と子どものために園芸ワークショップを行う「Au Four & Au Moulin」のジェシカさんだ。
「あわただしい毎日の中、家族のために食べられるハーブを窓際で育て始めたのがきっかけで園芸好きに。美術館の協力のおかげで、こんなすてきな場所で土いじりができるので、未経験でもぜひ気軽に参加してみて」。
水曜日の午後に開催されている子ども向けワークショップでは、この菜園で土を掘り、種を蒔き、収穫するまでの園芸体験ができる。春がはじまったばかりのこの日は、エンドウ豆とキンセンカの花の種を蒔き、たっぷりと水やりを。
また、単に作業をするだけでなく、すでに大きく育ったシブレットやルッコラの白い花を摘んで食べてみたり、カタツムリやゾウリムシなど土の中で動く虫を探してみたり、子どもたちが1時間飽きずに外遊びを楽しめるよう、3児の母でもあるジェシカさんの工夫がこらされた内容だ。
さらに池や養蜂箱もある庭の中を散策したあと、摘んだばかりのタイムとセージの即席ハーブティーを飲みながら、今日の植物や生きものたちの絵を書いておさらい。
4〜6週間後に再訪すれば種を蒔いた植物たちが育った姿を見られるし、初夏にはたくさんの野菜が収穫できる予定。週末の朝には、家族向けワークショップもある。(裕)
Atelier Nature et Jardinage au Musée de Montmartre
Adresse : 12 rue Cortot, 75018 Paris , Franceアクセス : M°Lamarck-Caulaincourt/Anvers
URL : www.aufouraumoulin.com
5-10歳向き。定員:6名。料金:15€ 5月は8日、 15日(水)14h30-15h30 10月半ばまで開催。