16年末フォブール・サントノレ通りに、芳香をまとい華々しくオープンした香水大博物館。奥深い香りの世界を、芸術・歴史・科学と、多面的な切り口で紹介する。今年から子供や大人向けのアトリエも開講し、誰でも気軽に調香師体験ができるように。今回は12〜15歳向けのアトリエ「調香師の卵たち」を見学した。
講師は現役の調香師。参加者は中学生くらいの女の子8人が集まった。「今日は例外的に女の子だけですが、普段は男の子も2、3人います。プロの調香師も男性が多いです」とのこと。まずはスライドを見たり簡単な実験をしながら、香水作りの基礎を学ぶ。その後、実際に香水作りに挑戦だ。
調合に使われる香料は10種。プロが使う時は「グリーン」「マリン」「ムスク」といった素っ気ない名だが、ここでは初心者でもイメージが湧くよう、「刈られた草」「海辺」「愛撫のように」など、わかりやすい名前が付く。子供たちは香料の匂いを嗅ぎながら理想の香りを想像し、調合の割合をノートに書き込む。4、5種類の香料を、例えば「アロマの庭 :3」「刈られた草: 10」「海辺:2」「森の散歩:5」と、合計点数が20になるように割り当てる。だが、たいてい最初からはうまくいかない。調合した香りを先生と一緒に嗅ぎながら、微調整を繰り返す。「これはちょっと個性的な作家の香りね」と先生に諭された子は、フローラルな香りを足していた。先生は生徒の感性を尊重しながらも、素敵な香りに近づけるよう優しくリードする。こうして最終的な配合を決めたら、青い小瓶に香水を詰めて完成だ。最後は作った香水をお持ち帰りできる。参加者はみな大満足の様子。「化学実験みたいだけど芸術的な体験」「自分の香水に名前を付けた。学級新聞にレポートするつもり」といった声が聞こえた。(瑞)
6~11歳の子供向けアトリエ 「Petits nez/小さな調香師」は45€。12~18歳のティーン向けアトリエ 「Graines de parfumeurs/調香師の卵たち」は70€。アトリエは博物館の入場料込み。隔週の水・土14h-16hに開催。
詳細はwww.grandmuseeduparfum.fr