Valérie Belin – L’Incertaine beauté du Monde
au MUba Eugène Leroy
フランスの現代写真家ヴァレリー・ブランの展覧会が、リール近郊トゥルコワンで開催中。大きな白い壁に、密に配置された大判写真。30年間の仕事を一挙に見通すことができる回顧展のため、アーティスト自らがディスプレイを行った。
白黒、カラー、静物、人物、フィルム、デジタル…と技術も対象も様々。マネキン（人形）、黒人女性、ボディビルダー、トランスジェンダー、マイケル・ジャクソン（そっくりさんたち）、ハーフの女性など、テーマに沿ったポートレートが並ぶ。人間なのか人形なのか、美しいのか醜いのか…。普段からわたしたちは、何かを見てほぼ自動的に、勝手に価値判断を下しているが、その基準が狂わされ、思考が乱されるような感覚を覚える。
自動車のモーターは人間の臓器のようだし、バスケットのフルーツはみずみずしくありながらフェイクのようでもある。プラスチックの小物がごちゃっと集まった写真は、安っぽいと思いきや、バランスのとれたコンポジション。顔立ちの美しいモデルを起用した作品は、エレガントなのか悲しいのか…。
しかしながら、私たちはそんな価値判断をせずに物を見ることができないものだろうか。現実/虚構、静/動、美/醜…相反する力が見る者を惹きつけては突き放し、戸惑わせるような作品だ。8月27日（日）まで
ヴァレリー・ブラン（1964-）はパリ在住の写真家。ブルジュ国立美術学校を卒業後、パンテオン＝ソルボンヌ大学で美術哲学を専攻。 作品は世界有数の美術館に収蔵されており、2015年にはパリのポンピドゥ・センター、2019年はロンドンのヴィクトリア&アルバート美術館などで展示されている。
リールとその近郊に行くなら :
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MUba Eugène Leroy
Adresse : 2 rue Paul Doumer, 59200 Tourcoing , FranceTEL : 03 20 28 91 60
アクセス : Tourcoing-Centre
URL : http://www.muba-tourcoing.fr/
火祭休、13h-18h。リールからメトロ2号線でTourcoing-Centre下車、徒歩5分。5.5€/3€。
