
Tapioca au lait de coco et mangue
マンゴーはほとんど年中手に入るけれど、最近八百屋でよく見かけるのが、大きめでやや細長のスペイン産だ。アフリカ産や東南アジア産は空輸されてくるので環境的に問題があったのだけれど、その点スペイン産はまだましだ。旬は10月から11月で、ときには2個で5、6ユーロという値段もうれしい。
八百屋の店頭に並んでいるものはまだ完全に熟していないので、買ってきてから2、3日おいておき、皮の上からさわってみてやや柔らかくなってきたな、というのが食べごろです。手をかけずにそのまま味わえばいいようなものだけれど、今回は、ベトナム料理の店で出てくるタピオカ入りココナツミルクをつくり、その上にマンゴーをのせてデザートにしてみた。簡単につくれ、病みつきになるうまさ!
まず、その熟したマンゴーの下準備だ。大きく平たい種にそってペティナイフを入れ、すべらすようにしながらひと回りして二つに切り分ける。それを縦に六つほどに切り分けて皮をむき、さらに小さく切り分ける。マンゴーの甘みが足りないようなら砂糖適量を振りかけておく。ぼくはライムをしぼりかけて、軽く酸味をつける。
今回のレシピでは、ベトナム風に、白く小さな〈perles du Japon〉と呼ばれるタピオカをつかうことにする(コラム参照)。鍋に牛乳とココナツミルクlait de cocoをとり、バニラ砂糖sucre vanilléを加えて中火にかける。沸騰したらタピオカを加える。でき上がりがとろっとしすぎるのがきらいなら、タピオカをほかの鍋でさっと下ゆでしてパソワールにあけてから加えるといい。弱火で、タピオカの粒々がくっつきやすいので絶えず混ぜ合わせながら15分ほどゆでる。タピオカが柔らかく透明になってくるだろう。火から下ろす。5分ほどおいてから、広口のグラスやおわん4個に均等にとり分けて冷ます。
仕上げにマンゴーをのせて食卓へ。今が旬の洋ナシやリンゴの砂糖煮をのせるのもおすすめだ。初夏ならイチゴやフランボワーズのピュレcoulisがいい。冷凍のピュレを解凍してつかってもおいしい。(真)
【材料4人分】マンゴーは大きいものなら半個、タピオカ50g、ココナツミルク400cc、牛乳300cc、バニラ砂糖3袋
Tapioca

アフリカ各地やブラジルでの大切な栄養源、マニョックmanioc(キャッサバ)の塊根からつくられたでんぷんがタピオカ。粉状のものと小さな球状のタピオカパールperles du Japonがある。今回のレシピには、中華食品店で売っている直径2ミリくらいの白い玉をつかった。加熱すると糊化しやすく、かさも3倍くらいになる。フランスにもTipiak印のものがあり、スープにとろみをつけるときにもつかわれる。調理時間は大きさ次第なので、パッケージに記してある時間を参考にしたい。
