ポルト・ド・ヴェルサイユの見本市会場を抜けて、パリと反対側のイシー・レ・ムリノー方向に5分ほどに歩いたところに、和食の店「寿司けん」がある。もともとあった同名の和食レストランを、今のオーナーシェフの斉藤仁さんが2007年に引き継いだ。
平日の昼間は、30席の店内が近くで働く人たちで一杯になる。主なメニューは寿司とカツ。寿司ネタの鮮度は抜群で、シャリも旨い。1つひとつ口に運ぶたびに幸せ感が体に広がる。昼も夜もこの質の和食がこの値段で食べられるのが信じられないほどコストパフォーマンスは抜群だ。斉藤さんが、サンジェルマンデプレにあった寿司屋「河童」、料理の質と独特のセンスで有名なOrient Extrême、シャンゼリゼ界隈にあったニューヨークの著名シェフ・松久信幸氏の店NOBU、やはりシャンゼリゼ界隈のシックな和食店 Meijiの各店で寿司シェフを歴任した人と聞き、納得。独立したとき、フランス人にリーズナブルな値段で和食を紹介できる店にしたかったという。
ランチはにぎり寿司(15.5€)、ちらし寿司(16€)、刺身定食(15.5€)があり、すべてに味噌汁と和風ドレッシングのサラダが付く。寿司は単品でも注文できる。
夜でも、刺身、寿司が20€以下で食べられる。
昼夜ともに注文できる温かい和食は、鶏の照り焼き(16.5€)、鴨の照り焼き(17.5€)、鶏カツ(16.5€)、トンカツ(16.5€)など。照り焼きにはとろりとしたたれがかかっている。ランチタイムに注文する人も多い。鶏肉は放し飼いの鶏(poulet fermier)を使用しており、食材の質に気を配っているのが感じられる。
デザートは、シェフ特製の抹茶ティラミス(6€)が自慢。アイスクリームは抹茶、黒ゴマ、白ゴマ、梅酒、しょうが(3€)と揃っている。炒ったゴマの香りが香ばしい黒ゴマアイスはチョコレートのようと評するフランス人もおり、梅酒アイスと並んで人気がある。
訪問した日、勤め先が遠くに移転したので休みの日を利用して食べに来たという常連客がいた。「そういう人が多いです」と斉藤さん。ポルト・ド・ヴェルサイユの見本市に行ったときでなくてもわざわざ食べに行きたい店だ。
Sushiken
Adresse : 12 rue Ernest Renan, 92130 ISSY-LES-MOULINEAUX , FRANCETEL : 01 46 42 58 18
アクセス : Porte de Versailles
12h-14h30, 19h-21h30 月夜、土昼、日および祭日休