ポンピドゥ・センターでの展覧会と同時に、「パリ・シュルレアリスト」と題して、40軒ほどのパリのギャラリーでシュルレアリスト展が始まった。これに参画するすべてのギャラリーを網羅したマップ★がポンピドゥ・センターをはじめどの展覧会場でも配布されているから、それを持って散策にでかけよう。パリだけでこんなにシュルレアリスムの作品を扱うギャラリーがあったこと自体が驚きだが、その他にも、発見ゆたかな散歩になるだろう。 昨今、「女性嫌い」との批判も耳にする(歴史的)シュルレアリスムだが、「宣言」から100年の今年は、女性芸術家も積極的に紹介されている。
【特集】ほかの記事もお読みください。
1)シュルレアリスムの世界へ
2)パリで、シュルレアリスムを堪能しよう。〈1〉ポンピドゥ・センターの「シュルレアリスム」展。
珠玉のギャラリー3選をめぐる
Leonor Fini
レオノール・フィニ (1907-96) はシュルレアリストグループには加入していなかったが、その周辺にいながらシュルレアリストたちと交流があった画家だ。アルゼンチンで生まれ、イタリアはトリエステで育ちフランスで活動した。10代の頃に描いた中年女性の肖像画には意外なもの(下の絵。フィーニの叔母と、彼女を訪ねて来た人は歯が痛いようで包帯を巻いている)が描かれており、シュルレアリスムの片鱗が見える。水に浮かぶ少女たちなど、幻想的で不思議な作風だ。ギャラリー・ミンスキーは、シュルレアリスム100年に際して3回の展示を予定。同展は11/2までだが、その後11月7日からフィニの伴侶でシュルレアリスムの画家スタニスラオ・レプリとフィニふたりのキャンバスに描かれた作品(12/7まで)、12/12から紙に描かれた作品を展示する。
Gelerie Minsky:37 rue Vaneau 7e
M°Vaneau / Saint-François Xavier
日月休、火~土10h30-13h/14h-19h
Tél:01.5535.0900
www.galerieminsky.com
André Masson : Le Surréalisme révolutionnaire
アンドレ・マッソン(1896-1987)は自動デッサンを考案した後、それを絵画や彫刻にも応用した。米の抽象表現主義より先に、1927年にはドリッピングを始め、米仏双方の芸術家たちに影響を与えた。キュービスト時代からシュレアリスト時代、”中国の時代”まで、つねに新生を続けた、 マッソンの幅広い作品を扱う 展覧会。12/21まで。
Galerie Jean-François Cazeau:
8 rue Sainte-Anastase 3e
M°Saint-Sébastien – Froissart
火-土 14h-19h
Tél:01.4804.0692
www.galeriejfcazeau.com
Space Tectonic – Sabine Hertig
シュルレアリスム21世紀の”後継者”と言えそうなのが、スイス・バーゼルで活動するサビーヌ・ヘルティク(1982-)。大画面にコラージュをし、洪水や嵐の後のような混乱状態を表現する。人、建物、植物などが混じり合い、ダイナミックなカオスを作り出す。10/26まで。
Gelerie C:
6 rue Chapon 3e
M°Arts-et-Métiers
火-土 11h-19h
Tél:06.7026.5339
www.galeriec.ch