PROVOKE
異議申し立てとパフォーマンス
1960-75年の日本の写真
写真によって社会に異議申し立てをしようと、1968年11月から69年まで存続し、3号で廃刊になった写真雑誌Provoke(プロヴォーク)を中心に、1960年から75年までの日本の社会的な写真を紹介する展覧会だ。森山大道、荒木経惟、戸松照明など、フランスでも人気が高い写真家の作品が並ぶこともあり、好評を博している。
地上階では、日米安全保障条約に反対する60年安保闘争から、成田空港建設に反対する農民たちの三里塚闘争、基地と沖縄といった、当時の政治社会情勢をテーマにした写真と映像をたっぷり見せる。会場にある「沖縄の中に基地があるのではなく、基地の中に沖縄がある」という言葉が今でも現実のものであるだけに、沖縄の人たちの怒りと風土が生々しく伝わってくる。
圧巻は、三李塚闘争を撮ったドキュメンタリーだ。2万円という超高額の日当をもらって全国から集まった機動隊員に対峙し、反対派の砦を守ろうとする農民の抵抗に、多くのフランス人が見入っていた。日本人としては、沖縄で起きている高江、辺野古の闘争を思い出さずにはいらない。
フランス人は何を思って真剣に見ているのだろう、と考えると、ナントの北に建設予定の空港に反対する、進行中のノートルダム・ド・ランドの闘争だと気づいた。60歳以上の人は、農地が軍用地に徴収されそうになって起きた南仏ラルザックの農民闘争を昨日のことにように思い出すだろう。
地下では前衛芸術のパフォーマンスを撮った写真とビデオが写し出されている。こちらの方が時代を感じさせる。(羽)
PROVOKE
Entre contestation et performance –
La photographie au Japon 1960-1975
12月11日(木)まで、6€/4€。
⚫︎LE BAL
6 Impasse de la Défense 18e
月・火休館。
水:12h – 21h
木:12h – 22h
金:12h – 20h
土:11h – 20h
日:11h – 19h
⚫︎PROVOKE!に関連したフォーラムも開催される。
11月5日
第1部: 1960年代、日本の前衛芸術とカウンターカルチャー
12h30 – 18h30(*会場はパリ日本文化会館 )
11月10日
第2部 : 1960年代日本の写真
15h30 – 19h45(*会場はGrand Palaisで開催されるParis Photo)
詳細はサイトから:
www.le-bal.fr/2016/09/autour-de-provoke
LE BAL
Adresse : 6 Impasse de la Défense, 75018 Paris , FranceTEL : +33 (01) 44 70 75 50
アクセス : Place de Clichy
URL : http://www.le-bal.fr/