Plats avec du melon
夏の野菜料理 ラタトゥイユを書く予定だったけれど、今が旬のメロン、安くなっただけでなく、気候のせいか甘みが倍増したようなおいしさ!メロンをつかったレシピを三つ紹介してみよう。
まずは定番の生ハム添えだ。生ハムは、熟成がすすんでいて塩味がきついものはさけたい。メロンの繊細な風味をだいなしにしてしまうからだ。ぼくはイタリアのパルム産jambon de Parmeにし、薄く切ってもらうことにしている。ハムが厚いとメロンの柔らかな歯ざわりと不釣り合いになる。メロンは4人分で1個、二つに切り分け、種の部分をスプーンでのぞいたら、4切れあるいは6切れに切り分ける。ペティナイフで皮を切りとり、各人の皿に並べ、脇に生ハムを添える。見るから食欲をそそるアントレだ。サンセールの白のように上品な味わいのワインがほしいところ。
メロンはポルトー酒との相性も抜群だ。メロンをひと口大に切ってボウルにとり、レモンのしぼり汁少々を加えて混ぜ合わせる。好みでおろしショウガごく少量を足すのもいい。広口のグラスにうつし、食べる直前にポルトー酒を注ぐ。ポルトー酒は赤でも白でもいい。ポルトー酒のかわりに甘口のムスカやベルモット風味のノワイ・プラットにするのもおもしろい。アントレにもデザートにもなる一品だ。
次は、見るからに清涼感あふれるメロンとエビのタイ風サラダ(写真上)。メロンはひと口大に切る。ゆでエビを買ってきて殻をむく。チェリートマトは洗ってから二つに切り分ける。クルジェットは水気の多い種の部分をのぞき、小さなさいの目に切る。サラダ菜は洗ってよく水気を切り、小さく切る。紫玉ネギは薄切りにし、バジリコはみじんに切る。メロンと野菜とバジリコを混ぜ合わせて皿に盛りつけ、エビを上にのせ、くだいたピーナッツを振りかける。ライム風味のナムプラーソース(コラム参照)を添える。夏らしい彩りが食欲をそそってくれるし、ソースに入っているライムの酸味でメロンが生き生き!(真)
タイ風メロンのサラダ4人分:メロン1個、ゆでエビ12尾、サラダ菜適量、チェリートマト150g、クルジェット1本、紫玉ネギ半個、バジリコ半束、無塩のピーナッツ適量、ナムプラーソース(コラム参照)
Melon
メロンは、日本では一個軽く2000円をこえるマスクメロンmelon brodéが主流だが、フランスの主に南部で栽培されているメロンのほとんどはmelon cantaloup と呼ばれるもの。表面は薄緑色で身はオレンジ色がかっている。1個1キロ前後。最盛期には2個で5ユーロくらいになったりする。店頭のメロンは完熟ちょっと前がほとんどなので、風通しがよいところにおいて数日待つ。メロンの香りがただよいはじめたら食べごろ。待つ時間がなかったら、八百屋に「きょうの夕食用に」などと注文して選んでもらいましょう。
Sauce Nam Pla(Sauce Nuoc Mam)
さまざまな魚介類が入るサラダ、米粉麺に牛肉がのっているボブンなどに欠かせないソースが、ナムプラーソース(ベトナムではニョクマムソース)。エビシュウマイやネム(揚げ春巻き)にもよく合う。ボウルにナムプラーという魚醬を大さじ1、2杯とり、ライムのしぼり汁を多めに加え、ナムプラーの塩気をやわらげるためにかなりの砂糖を加え、ナムプラーの2、3倍の水で薄める。ナムプラー、ライム、砂糖、水の割合はいろいろと試してみたい。好みで、小口切りの唐辛子やきざんだニンニク少々、万能ネギ少々などを混ぜ入れる。