Navarin d’agneau(子羊のナヴァラン)
子羊肉は、春から夏にかけてマイルドな風味を持っているから、やはり季節の野菜といっしょに煮込むナヴァランをつくってみよう。ビストロでも人気の一品です。
今回は、どこまでも柔らかく煮上がる首肉 collierをつかってみた。頸骨(けいこつ)つきなので、その分を見込んで4人分で1キロちょっといるだろう。といってもキロ14ユーロ前後なので、財布はいたみません。3センチくらいの厚さに切り分けてもらい、余分な脂はそぎ落とす。
ニンジンは厚めの輪切り。カブはひと口大に切り分ける。小さな新玉ネギはひと皮むいておく。ジャガイモも皮をむいてからひと口大に切る(小さかったら丸ごと)。このジャガイモが、子羊肉や野菜のうまみをすって夢のようなおいしさになるのだ。
ココット鍋に油を大さじ3杯とり、子羊肉を強火でいためるのだが、砂糖を三つまみほど加えると、それがカラメル化し、いぶしたような風味が加わる。肉にまんべんなく焼き色がついたら、小麦粉を振りかけて混ぜ合わせ、しばらく火をとおしたら、水(あるいはチキンのブイヨン)を肉がすっかりかぶるように注ぐ。木のへらで鍋底をこするようにして、こびりついているうまみを水に溶けこませる。
沸騰してきたら、濃縮トマト、押しつぶしたニンニク、ブーケ・ガルニ(長ネギ+パセリ+タイム+ローリエの葉)を加え、塩とコショウで味を調える。再沸騰したらフタをし、弱火に落として1時間15分ほど煮込むと、肉がすっかり柔らかくなっているだろう。ブーケ・ガルニをのぞき、肉を網じゃくしで慎重にとり出し、少し冷めたら、ペティナイフで骨を切りはずす。煮汁の表面に浮かんでいる脂は、キッチンペッパーでぬぐうようにしてとりのぞく。
ココット鍋を中火にもどし、煮汁にニンジン、カブ、小玉ネギを加え、20分火をとおしたら、肉をもどし、ジャガイモ、グリーンピース(冷凍でもかまわない)を加える。ジャガイモが柔らかくなったらでき上がり。パセリを散らしましょう。ワインは、ボージョレの赤、サンタムールはいかが。(真)
【材料 4人分】
子羊の首肉1.2kg、ニンジン3、4本、カブ4、5個、ジャガイモ500g、小さな新玉ネギ12個、グリーンピース適量(冷凍でもよい)、ニンニク2片、濃縮トマトconcentré de tomates大さじ1杯半、ブーケ・ガルニ、パセリ適量、砂糖少々、小麦粉大さじ2杯、油、塩、コショウ.
Viande d’agneau(子羊の肉)
子羊肉は部位によって使い分けたい。丸ごとローストなら、もも肉gigot ①や肩肉épaule ②。肩肉は一つ買って肩甲骨(けんこうこつ) paletteはとってもらう。グリルなら、もも肉の薄切りtranche de gigotや骨付きの背肉côtelette ③ がうまい。強火で焼いて中はバラ色roséeというのが理想的。焼きすぎはさけたい。今回のレシピのナヴァランやマグレブ風タジン、あるいはアイリッシュシチューのように時間をかけた煮込みなら、肩肉や首肉を切り分けたものが経済的だし、柔らかく煮上がる。
Curry d’agneau à l’indienne(インド風子羊のカレー)
市販のカレーペーストを使って子羊の首肉インド風カレーをつくってみよう。4人分で切り分けてもらった首肉1キロちょっとをココット鍋にとり、チキンのブイヨン(インスタントで結構)をヒタヒタに注いで中火にかける。塩、コショウし、あったら八角1個やカルダモン10粒ほど加える。1時間半ちょっと煮たら肉をとり出し、今回のレシピのごとく骨をのぞく。ブイヨンは八角とカルダモンをのぞき、とっておく。
フライパンやソトゥーズに油をとり、みじんに切った玉ネギ3個を弱火でいため、軽く色がついてきたら、おろしたショウガとニンニク適量を加える。しばらくいためたら、濃縮トマトを大さじ1杯ほど混ぜ入れ、肉のうまみが出ているブイヨンを半量ほど注ぐ。インド食料品や大きなスーパーで手に入るPatak印のマドラスmadras風味などのカレーペ―ストを大さじ1杯前後混ぜ入れる。再沸騰したら肉をもどし、ふつふつっと沸騰したら、みじんに切ったパセリやコリアンダーの葉を散らす。生クリームやココナツクリーム、あるいはヨーグルト適量を加え、まろやかな風味にするのもおすすめだ。
Escalope de dinde frite (七面鳥の胸肉フライ)
七面鳥の胸肉 escalope de dindeは、鶏のささ身と同じように、から揚げにするとおいしい!!