今年も、3晩にわたって「Nuit des étoiles – 星の夜」が開催される(8月3日〜5日)。流星がたくさん見られるのも楽しみだが、今年の注目は、なんといっても火星。15年ぶりに地球から5700万kmの距離まで大接近しているからだ。オレンジ色がかった火星は、この夏じゅう、木星よりもひときわ明るく輝くそうだ。
地球も火星も、46億年ほど前に形成された。地球に生命体が現れたのは40億年前ころ。地球の「妹分」と言われる火星は、その頃は地球とよく似ていて、地表には水が流れ、湖があり、空には雲、雨が降って気温も穏やかな「住める星」だったと言われている。
米航空宇宙局(NASA)は、火星の湖だった場所の岩石からさまざまな有機物を発見し、それらが30億年ほど前に発生した有機物だとしている。さらに、夏には大気中のメタンが増え、春や秋には減るサイクルを繰り返していることを観測。これは、土壌中のメタンが熱せられることで大気に放出されることが理由とも考えられるが、現在も生命体が火星上にいるという可能性も否めないとしている。
このイベントで天体観測に行った時、あの土星の「輪」が見たくて、天体望遠鏡を覗くために列に並んだ。10分ほどで順番は回ってきて、裸眼では見えない輪が見えて感動した。日没は21h30頃、空がまっ暗になるのは、23時ころ。それからが、流れ星の時間だ。
Nuit des étoiles は、AFA(フランス天文学協会)が主催する、多くの人に天体観測に親しんでもらおうという企画で、1991年から開催されている。
基本的に無料(パリのモンパルナス・タワーなどは入場料が有料)。フランス本土とマルチニーク、レユニオン、ニューカレドニア、モロッコ、アルジェリアなど470カ所で行われる。(場所によって、開催日や時間が違うので注意!)自分がいる場所に近い場所で「星の夜」を探すならこちら。
AFAのスタッフが天体望遠鏡の見方を指導しながら星を見せてくれたり、天体観測アプリの使いかたを教えてくれたり。アプリを見ながら、星座にまつわるギリシャ神話を語ってくれたりするスタッフもいて、いわゆる「天文学」が苦手でもおおいに楽しめる。
星の夜 公式サイト:
https://www.afastronomie.fr/les-nuits-des-etoiles
モンパルナスタワーの屋上では、6日まで天体観測ができる。
8/3、4日:20h-00h
8/5、6日:20-23h30
www.tourmontparnasse56.com