Gâteau roulé à la confiture de fraise
友人カップルがふたりの子どもたちとお昼を食べに来る。デザートはロールケーキにしよう、ということになった。ぼくらの子どもたちが小さかったときの大好物で、よく作ったものだ。
まず天板いっぱいにクッキングシートを敷いて、柔らかくしておいたバターを刷毛でまんべんなく塗る。オーブンの目盛りを200℃に合わせて点火する。
次はスポンジケーキの生地作り。卵を黄身と白身に分ける。黄身の方に砂糖を加え、泡立て器を使って勢いよく混ぜ合わせる。全体が白っぽくなったら、ふるいにかけた小麦粉、ベーキングパウダー、溶かしたバターを加え、丁寧に混ぜ合わせる①。白身に塩一つまみを加え、泡立て器あるいはミキサーを使ってしっかりと泡立て、①に、へらを大きく動かしながら静かに混ぜ入れていき、全体が均一でなめらかになったら準備完了だ。さらにバニラビーンズ1本分の種を混ぜ入れたりしたら文句なし。これを、天板のクッキングシートの隅々まで均等に広げ、熱くなっているオーブンへ。
8分から10分で、表面に心なしか焼き色がついてきたかなという頃合いにオーブンから出す。焼き上がった生地をクッキングペーパーごとすべらすようにしながら、大きなまな板の上にでもうつす。生地の上にやや湿った布巾を軽く押しつけるようにしながら置き、その布巾が下になるように、手を添えながらまな板ごとひっくり返す。まな板をとり、クッキングシートを慎重にはがす。長方形に焼き上がった生地の、辺の短い側からやさしくロール状に巻き、布巾に包んで冷ます。
冷めたら生地を広げ、イチゴジャムをたっぷりと、全体に広がるように塗る。もう一度、丁寧に、できるだけきっちりとロール状にすればでき上がりだ。大皿にうつし、きめ細かな粉砂糖sucre glaceをふるいにかけながら振りかけ食卓へ。とたんに子どもたちの顔が輝いた。イチゴジャムのかわりに、好みのジャムやチョコレート風味のスプレッド、カスタードなどにしてもいい。(真)
30cmⅹ35cmの天板を使った場合:大きめの卵5個、砂糖140g、粉砂糖sucre glace適量、小麦粉T45タイプ140g、ベーキングパウダーlevure chimique 半袋(5g)、あったらバニラビーンズ1本、ジャム250~300g、バター30g+クッキングシートに塗る分、塩一つまみ。
Génoise
スポンジケーキを薄く焼き上げてロール状にするときは、焼きすぎてはいけない。巻くときに割れてしまったりするからだ。スポンジケーキの生地を直径24センチの丸い型に入れて焼くのもいい。型にバターをしっかり塗ることと、やや冷ましてから型から抜くことが大切。できるだけ薄刃のよく切れる包丁で、横に二つに切り分け、ロールケーキ同様に、ジャムやカスタードクリームなど好きなものを塗る。カスタードクリームの上に、これからが旬のイチゴを薄く切ってのせれば、立派なデザートになるだろう。
Crème pâtissière
カスタードクリームの復習です。バニラビーンズ1本の黒い種をかき出す。鍋に牛乳250ccとバニラの種を入れ弱火にかける。沸騰したら火から下ろす。卵黄3個と砂糖50gをボウルにとり、白っぽくなめらかになるまで混ぜ合わせ、小麦粉20gを加えて練り合わせる。ここへ熱い牛乳を少しずつ混ぜ入れたら、ふたたび鍋に戻して弱火にかける。絶えず木のヘラでかき混ぜていき、グツグツッと沸騰したら火からおろし、バター大さじ1杯を加え、それが溶けるまで混ぜ合わせればでき上がり。
Farine de blé
今回のスポンジケーキ生地に使った小麦粉はT45タイプで、外皮や、はい芽をのぞいて精白された、きめ細かく真っ白な「farine blanche」とも呼ばれる薄力粉。たんぱく質の含有量が少ない。主に製菓用でホットケーキ、スポンジケーキ、クッキーなどに使うと、繊細な仕上がりになる。天ぷらにも向いている。ほかにもT55、T65などがあり、数字が増すたびにたんぱく質の含有量が増えていく。T150は、外皮や胚芽ごと挽かれた全粒粉farine intégraleで、この粉で焼いたパンpain completは、植物繊維、ミネラル、ビタミンが豊富。