Le Monde de Steve McCurry
スティーヴ・マッカレー(1950-)の写真は、誰もが一度は見たことがあるだろう。緑の目を大きく見開いたアフガニスタンの少女の肖像で有名な、アメリカ人報道写真家だ。40年間におよぶ活動で撮影されたもののうち代表作を含む150点を拡大して展示したこの展覧会は、12月のオープニングの時から10万人を動員し、大成功を収めている。
地元ペンシルヴァニア週の学生新聞に写真を掲載していたマッカレーは、南米やアフリカを旅した後、1979年にアフガニスタンに入った。イスラム戦士たち(ムジャーヒディーン)の手引きで現地人に偽装して旅を続け、ソ連の軍事介入に抵抗するムジャーヒディーンや住民、避難民たちを撮った。
マッカレーは、戦場で同じ方向に銃を向け一点を見つめる戦士の集団や、戦死した家族の墓を覆うようにして嘆く女性たちの一瞬を切り取った。衣服の中に隠してフィルムを持ち出し、現像した写真が高く評価され、写真家としての地位を確立した。旧ユーゴスラビア、レバノンなど紛争の国に行くことが多い。マグナム・フォトの会員で、彼の写真はタイム、ライフ、ニューズウィーク、ナショナル・ジェオグラフィックなどに掲載されている。
上記の国以外で撮った写真の中では、白亜のタージ・マハルの前を通り過ぎる黒い蒸気機関車を撮った作品が、インドの過去と現在を象徴するようで印象に残る。会場では、世界中の人たちの肖像が、観客を見つめるように展示されており、彼らの存在感に圧倒される。(羽)
Musée Maillol
Adresse : 59-61 rue de Grenelle 7e, 75007 Paris , Franceアクセス : Rue du Bac
URL : https://www.museemaillol.com/expositions/steve-mccurry/
無休、10h30-18h30 水曜-22h00