昨年カムバックしたピレシュによる、モーツァルトピアノ協奏曲第9番の名演。 2023-06-05 コンサート 0 モーツァルトが1777年、21歳のときに書いたピアノ協奏曲第9番『Jeunehomme』。このジャンルの傑作中の傑作とみなされている第20番〜27番と比べても劣ることのない名曲だ。第1楽章冒頭のピアノとオーケストラの対話、明るく軽やかなテーマ。第2楽章のアンダンティ―ノの沈んだ [...]
ナポリ出身の逸材サックス奏者、アントニオ・ライアの即興コンサート。 2023-05-21 コンサート 0 アントニオ・ライアというサックス奏者を知っていますか。ナポリ生まれで、今年35歳、逸材のサックス奏者だ。幸いにもぼくは、2018年に彼の演奏をきく機会にめぐまれ心底感動した。ひと吹きの立ち上がりから消滅まで、自分の音におぼれることなく、目覚めている。淡々と歌っているようでも、た [...]
テツラフ兄妹、ブラームスのロマンティシズムに満ちた「ヴァイオリンとチェロの二重協奏曲」演奏。 2023-04-28 コンサート 0 ブラームスはチェロという楽器をこよなく愛していた。2曲のチェロソナタはもちろん、ピアノ協奏曲第2番のアンダンテ冒頭でのチェロのソロ…。 ブラームス自身の肉声に近かったのか、チェロを通してパッションがほとばしり、沈んだ憂愁の歌が流れる。それでいながら、なぜかチェロ協奏曲を1曲も書 [...]
『Buena Visita Social Club』のEliades Ochoa、パリ公演! 2023-04-24 コンサート 0パリ18区 ギター奏者ライ・クーダーが、キューバのダンス音楽の原型といわれるソンのヴェテランたち、コンパイ・セグンド(当時89歳)やイブラヒム・フェレール(69歳)を集めて1996年に録音した『Buena Visita Social Club』は大ヒット。コンパイ・セグンドが歌う『チャン・ [...]
ハイドン『天地創造』、すばらしい歌手が揃うコンサートへ。 2023-04-11 コンサート 0パリ8区 ロンドンで『驚愕(きょうがく)』や『ロンドン』などの交響曲で大成功を収めたハイドンは、1794年にエステルハージ家の楽長に就任してウィーンに戻ってくる。60歳を過ぎていたにもかかわらず、創作意欲は衰えることがなく、六つの大きなミサ曲だけでなく、オラトリオ『天地創造』、『四季』を [...]
コンサート:ブバカール・トラオレ ー 心の中をサバンナの乾いた風が吹き抜ける。 2023-03-21 コンサート 0パリ10区 Boubacar Traoré ギターを弾きながらのアフリカンブルースの名手といえば、ライ・クーダーとの共作『Talking Timbuktu』で国際的スターになったアリ・ファルカ・トゥーレがあまりにも有名だったが、惜しくも2006年に亡くなってしまった。その後継ぎは誰だろう。 [...]
チェロとヴァイオリンの名演奏を聴きに。ラファエル・モロー、エドガール・モローとジェラール・コッセ。 2023-03-06 コンサート 0 Raphaëlle Moreau/ Edgar Moreau/Gérard Caussé 日曜の朝、フランスを代表する弦楽器奏者三人がそろう。最初はチェロ奏者エドガール・モロー。バッハの組曲第2番ニ短調で幕を開く。内省的なプレリュード、低い弦の動きをともなった歌が美しいクーラン [...]
澄んだ歌声、切ない響き。ジュジャンナ・ヴァルコンニのコンサート。 2023-02-06 コンサート 0パリ20区 Zsuzsanna Varkonyi “A place called love” コンサート欄、なにをとり上げようかなといろいろさがしていたら、なつかしい名前「ジュジャンナ・ヴァルコンニ」!ジュジャンナはハンガリー生まれで、20年ほど前になるが、3区のオ [...]
ロッシーニのオペラ『Une Cenerentola(シンデレラ)』を観客参加型で楽しむ。 2023-01-24 パリで遊ぶコンサート 0 Une Cenerentola d’après Rossini 『チェネレントラ(シンデレラ)』は、ジョアキーノ・ロッシーニのオペラ。ペローの童話をオペラ化した演目は1817年にローマで初演された。シャンゼリゼ劇場では、ドニゼッティ作曲の『愛の妙薬』、ヴェルディ作曲の [...]
【コンサート】現在最高のフルート奏者エマニュエル・パユ。 2023-01-07 コンサート 0 Pahud-Pinnock-Manson “Bach” 現在最高のフルート奏者はときかれたら、半数以上が「エマニュエル・パユ」と答えるにちがいない。ミシェル・デボストやオーレル・ニコレのもとで研鑽をつんだパユ、今年で53歳になる。1993年からベルリン・フィルハーモニーの首席フ [...]