Le Douanier Rousseau – L’innocence archaique 2016-05-06 アート 0 上手い画家は、生前成功しても死後忘れ去られることが多い。それとは逆に、どう見ても上手いとは言えない画家が、コツコツやっているうちに時代の流れと合致して大物になることがある。「ドゥワニエ(税関吏)・ルソー」こと、アンリ・ルソー (1844-1910)はまさにその一人だ。正規の美術教 [...]
Arno “Human Incognito” 2016-05-02 音楽 0 先週、ブリュッセルにアルノーを聴きに出かけた。多発テロの犠牲者追悼のメッセージや花で覆われた証券取引所と目と鼻の先にある会場は満員でエネルギーにあふれる。 新しいアルバム『Human Incognito』からの曲で始まった。バンドが若返り、ギターはうなり、ドラムスは強靭なリズム [...]
ノルマンディーと、印象派。 2016-05-02 アート 0特集記事 4月16日から 《第3回ノルマンディー印象派フェスティバル》が始まっている。印象派発祥の地ノルマンディー地方の各地で、9月までさまざまな文化イべントが開催される。 1858年、ル・アーヴルの町で画家を志していた17歳のクロード・モネは、この町で画材店を営む外光派の画家ウジェーヌ [...]
自転車とローラーとヌーヴェル・ヴァーグが好き。 2016-04-19 音楽 0 「私が3歳の時に、あの車が発売されたのよ」と、オリジナルは私なのにと言いたげな顔。でもそれは他ならない自分の名前だし、そう呼ばれたい名前だから。クリオ・トゥルヌー(本名)はステージネームを「クリオ」としてデビューした。生まれも育ちもフランスの極東、フランシュ・コンテ地方の主邑(し [...]
CD : Lou Reed “Berlin” 2016-04-17 音楽 0 ロック界の孤高の名盤だけれど、その底知れない暗さのせいかラジオにも流れないので、知らない人が多い。娼婦キャロラインとジムの出会いから、彼女の自殺までを追ったコンセプトアルバムで、リードが見据える人間世界の暗部が、心をえぐる詩と歌で表現されている。「でも、彼女は死なんてこわがってな [...]
EXPO : The Velvet underground 2016-04-17 音楽 0 50年前の1967年に、ヴェルヴェット・アンダーグラウンド (以下VU)のファーストアルバムが出た。有名なジャケットはアンディ・ウォーホルの手になる黄色のバナナ。1964年、ルー・リードとジョン・ケイルはNYで出会い、意気投合してバンドを結成。ウォーホルは、VUの演奏にほれ込み、 [...]
Chefs d’œuvre de Budapest ブダペスト美術館の至宝展 2016-04-16 アート 0 ブダペスト美術館には、西洋美術の傑作がキラ星の如く並んでいる。その一部がパリに来た。会場は西洋美術史をざっとおさらいするかのように、中世の終わりから近代までを網羅している。 ルーカス・クラナハ (父)の『バプテスマのヨハネの頭を手にしたサロメ』は、クラナハと同時代の豪華な衣 [...]
Anselm Kiefer アンゼルム・キーファー 2016-04-03 アート 0 アンゼルム・キーファー(1945-)の大回顧展を見ると、ドイツ敗戦の年に生まれた彼が、故国の戦争の罪と影を背負って生きてきたことが強く感じられる。 会場は、父の軍服を着た自分がナチス式敬礼をしている、20代の作品で始まっている。「ユダヤ人らを大虐殺したドイツ人の罪を集団心理 [...]
Sidiki Diabaté 2016-03-31 音楽 0 マリの首都バマコ生まれのシディキ・ディアバテは、今年23歳。代々コラという弦楽器を弾き続けてきたグリオの家系に属し、父はトゥマニ・ディアバテ、祖父は同名のシディキ・ディアバテで、いずれも最高のコラ奏者。昨年11月、フィルハーモニー・ド・パリで、父親のトゥマニと共演し、その成熟し [...]
Leila Schayegh “Bach/Sei Suonate” 2016-03-19 音楽 0 バッハのヴァイオリンとハープシコードのための6曲のソナタは、音楽が自然に流れていく名曲が続いて大好きなのだが、このアルバムはその決定盤になるか もしれない。どんどん人気が出てきている、バロック・ヴァイオリンの若手レイラ・シャイエと、チェンバロのイェルク・ハルベックの演奏は、速い [...]