特に素晴らしいテーマは 〈反射と輝き〉。 Titien, Tintoret, Véronese…Rivalités à Venise 2009-10-01 アート 0 16世紀のヴェネツィアで活動した画家、ティツィアーノ(1488/90-1576)、ティントレット(1518-1594)、ヴェロネーゼ(1528-1588)を中心に、彼らの作風の違いと、画家同士のライバル意識が作品に与えた影響を考察するのが、この展覧会のテーマである。 ここで扱わ [...]
美術館にタダで行く方法 2009-09-01 アート 0特集記事 美術展の前日か初日には、必ずヴェルニサージュ(オープニング)がある。誰でも行けるギャラリーのものとちがって、美術館のヴェルニサージュには招待客しか入れない。10ユーロ近くする入場料を浮かす方法が、このヴェルニサージュの活用だ。各美術館が郵送する招待状は、その日の決められた時間帯 [...]
思考停止のまま見せられる 意味不明の情景。 Max Ernst “Une semaine de bonte” 2009-07-31 アート 0 シュルレアリスムの大家、マックス・エルンスト(1891-1976)は、1933年夏、3週間の北イタリア滞在中に『Une semaine de bonté 慈善週間』と題する184点のコラージュを制作した。平均すると、1週間で60点制作したことになる。驚異的な速さだ [...]
女性作家の叫びとささやき。 “Cris & Chuchotements” 2009-07-01 アート 0 展覧会の題名から、イングマール・ベルイマンの同名の映画 『叫びとささやき』(1973)を思い出さずにはいられない。映画が女たちのドラマだったように、ここでも主役は女性だ。ベルギー、ラ・ルヴィエール市の「フランス語圏版画センター」が、所蔵作品の中から23人の女性作家のものを選んで [...]
抽象画のような作品。 “William Eggleston, Paris” 2009-06-02 アート 0 美しいパリの街路風景を写真に撮ろうとすると、いつも邪魔になるのが路上に駐車中の車だ。カルチエ=ブレッソンやアッジェのような趣のあるパリのたたずまいを撮るのはもう無理だと思っていたが、この展覧会を見て、まったく違う発想があることに気づいた。 エグルストン(1939-)は、アメリカ [...]
1911~14年ころの作品が好き。 “Kandinsky, 1866-1944” 2009-04-30 アート 0 カンディンスキーの作品は何度も見てきたが、この大回顧展を見て、これまで把握していたものがいかに断片的かを痛感した。年代を追って見ていって初めてわかったことが多い。収穫である。ポンピドゥ・センター、ミュンヘンのレンバッハハウス美術館、ニューヨークのグッゲンハイム美術館の共同企画で [...]
子供のような好奇心、ユーモア。 Alexander Calder “Les annees parisiennes, 1926-1933” 2009-04-01 アート 0 どこも不況で、暗い顔が多い今の時期、ここに来れば心が晴れ晴れして、愉快な気分になれる。落ち込んでいる人にもおすすめだ。 アメリカのペンシルヴァニア州で、彫刻家の父と画家の母の間に生まれたアレクサンダー・カルダー(1898-1976)は、8歳の時に親から仕事場を与えられ、廃物を [...]
知られざるデ・キリコ。 “Giorgio de Chirico – la fabrique des reves” 2009-03-02 アート 0 ジョルジオ・デ・キリコ(1888-1978)に対する考えを一変させる前代未聞の回顧展である。通常デ・キリコの回顧展は1930年までの作品で終わっているが、ここではあえて全生涯を網羅した。 デ・キリコは1910年代に、形而上的作風でアンドレ・ブルトンを初めとするシュルレアリストた [...]
身体の傷跡は大地の傷跡…。 “Sophie Ristelhueber” 2009-01-30 アート 0 同じ美術館で同時開催のロバート・フランク展を見に行って出会った、掘り出しものの展覧会だ。 ソフィー・リステルユベールは、1949年パリ生まれ。ソルボンヌで文学を専攻した後ジャーナリストになり、1980年代から写真の仕事を始めた。彼女のテーマのひとつは傷跡だ。それは戦争の傷跡であ [...]
ピカソにはエロチシズム。 “Picasso/Manet : Le dejeuner sur l’herbe” 2008-10-31 アート 0 グランパレ、ルーヴル、オルセーの3カ所で開催されているピカソ展の中で、一番刺激的だったのが、この展覧会だ。ピカソは西洋絵画の巨匠たちの作品を自分流に壊し、再構築する試みを何度も行った。オルセーで展示されているのは、マネの「草の上の昼食」を下敷きにしてピカソが1954年から196 [...]