アンリ・カルティエ=ブレッソン展。 2014-02-28 アート 0 20世紀の代表的写真家、アンリ・カルティエ=ブレッソン(1908-2004)の作品は、誰もがどこかで一度は目にしているはずだ。その記憶から、「カルティエ=ブレッソンの写真はこうだ」と思い込んでこの展覧会に来ると、見事裏切られる。カルティエ=ブレッソンって、こんな人だったのか、と [...]
ジョアン・フォンクベルタ展。 2014-02-01 アート 0 飛躍した論理で科学的証拠がないことを書いた本は、俗に「トンデモ本」と呼ばれる。フォンクベルタ展にあるのは、作者が意識して作った「トンデモ」物語だ。早い話、すべて捏(ねつ)造・偽造なのだが、科学的証拠も捏造し、見る人の意識をかく乱させ、本当にあったことなのではないかと思わせるに至 [...]
ナターシャ・ニジック展。 2013-11-04 アート 0 今秋開幕した展覧会のうち、一番新鮮だったのがナターシャ・ニジック(1967-)のビデオアート展だ。会場には、福島を2013年に撮った作品、2008年に起きた宮城・岩手内陸地震の爪痕(つめあと)を撮った作品、人の手の日常の動きを追った作品など、6点が展示されているが、面白さで群を [...]
粗い素材が高貴なものに。 2013-10-03 アート 0 パリから少し遠いが、わざわざ行ってみる価値がある展覧会である。城内と庭園で一人の現代作家の作品を展示する、恒例となったヴェルサイユ宮殿の企画。今年の招待作家はイタリアの彫刻家、ジュゼッペ・ペノーネ(1947-)だ。ヴェルサイユの壮麗さに圧倒されず、ヴェルサイユのきらびやかさとは [...]
ロイ・リキテンスタイン展。 2013-09-03 アート 0 ポップアートの代表的作家、リキテンスタインは好きな作家ではなかったので期待せずに行ったが、いろいろな意味で刺激的な展覧会だった。 ロイ・リキテンスタイン(1923-1997)はニューヨークで生まれ、オハイオ州立大学で美術を学んだ。自分の子どもにミッキーマウスを描いてやったとき [...]
フランス現代美術の大物。 2013-07-31 アート 0 日本ではクラブサン奏者の、息子ピエールのほうが有名だが、ハンガリー出身の父シモン・アンタイ(1922-2008)は、フランス現代美術の大物の一人だ。ハンガリー語では「ハンタイ」だが、フランスに帰化したので「アンタイ」と発音する。没後初めての大回顧展で、1949年から90年代まで [...]
幾何学抽象だが、有機的…。 2013-06-28 アート 0 会期が残り少ないが、今後再評価が始まるであろう優れた作家なので、あえて取り上げたい。 ジョルジュ・ノエル(1924-2010)はフランス南部のベジエ生まれ。戦後、工業デザイナーになったが、1955年以降は美術一筋の道を歩んだ。パリに出て、アンフォルメルの作家たちと交流し、自動 [...]
戦争と平和の間で。 2013-06-01 アート 0 マルク・シャガール(1887-1985)のようなポピュラーな画家は、作風があまりに知れ渡っているだけに、普通の展覧会では記事にする意味がないが、この展覧会は着眼点が良い。戦争という重いテーマを前面に出し、シャガールがそれをどのように感じ、表現してきたかを伝えている。 ロシアの [...]
ペーター・フォスの「変身」。 2013-05-01 アート 0 オランダ文化センターであるアンスティテュ・ネーエルランデで開催された展覧会の中では、近年まれに見る掘り出し物。想像力を刺激する、今シーズンのおすすめの一つとして紹介したい。 戦後から21世紀初めにかけて、オランダで最も創造的な仕事をした芸術家のひとりとされるペーター・フォス( [...]
ポール・ジャクレーの浮世。 2013-04-02 アート 0 Un artiste voyageur en Micronésie L’univers flottant de Paul Jacoulet フランス語教師として東京に赴任した父について3歳で家族と来日し、日本で生涯を終えたフランス人浮世絵師ポール・ジャ [...]