ノルマンディーの作家と食 〈16〉 2017-05-07 ノルマンディーの作家と食 他 0 モーパッサンの『ベラミ』(1885年)の主人公デュロワは、あらゆる世代の女性にもてる。結婚をする前もした後も、その日常には複数の女性の影が後をたたない。例えばある午後には、白髪交じりのヴァルテール夫人と時間を過ごす。そして、この「お婆さん」が部屋を出ていくと、パリの道を散歩しなが [...]
ノルマンディーの作家と食 〈15〉 2017-04-13 ノルマンディーの作家と食 他 0 19世紀フランス文学を代表する作家のひとりであるモーパッサンは、ノルマンディー地方の海沿いの村エトルタで4歳からの約3年間を過ごした。両親の絶え間ない喧嘩や父親の荒々しい態度に傷つけられる日々の中、漁師の子供たちとたわむれて海辺で過ごす時間は幸せそのものだった。 そんな背景も手伝 [...]
星付きシェフによる、カフェスタイルのショコラトリー。 2017-04-03 デザートノルマンディーの作家と食 他 0 シリル・リニャックの「ショコラトリー」 - La Chocolaterie Cyril Lignac 早朝8時、パリ11区。ネイビーのシックな外観のカフェから、テイクアウト・カップに入ったショコラショーを手にしたパリジャンたちが次々と歩き出す。 じつはここ、ただのカフェではな [...]
ノルマンディーの作家と食 〈14〉 2017-03-11 ノルマンディーの作家と食 他 0 モーパッサン作『ベラミ』(1885年)の主人公デュロワのふるさとは、ノルマンディー地方の片田舎、カントルゥ。亡くなった親友の妻だったマドレーヌを自らの妻に迎えたデュロワは、「きれいな御婦人」である彼女にせがまれるかたちで、この地にずっと暮らす年老いた両親のもとを夫婦で訪れる。 カ [...]
日本の『テロワール』展示・試食会、フレンチを和素材で。 2017-03-06 イベントノルマンディーの作家と食 他 0 去る2月27日、日本の郷土食材を紹介する、プロ向けのイベントが開催された。 「日本の農林水産物を優れた技術で加工した食材」をテーマに、14社*が出展。来訪者は各ブースで食材を試食できるほか、会場の中央で、それらの食材を使った創作料理を試食できる。知っていると思っていた日本の伝 [...]
ノルマンディーの作家と食 〈13〉 2017-02-11 ノルマンディーの作家と食 他 0 モーパッサンの代表作のひとつである『ベラミ』(1885年) の主人公デュロワは、目的のためには手段を選ばない男として描かれている。旧友フォレスティエのつてで新聞社の仕事を見つけたデュロワは、フォレスティエの妻で知性あふれるマドレーヌの文才を利用して出世街道をのしあがる。そして、フ [...]
ノルマンディーの作家と食 〈12〉 2016-12-12 ノルマンディーの作家と食 他 0 モーパッサンの小説『ベラミ』(1885年)の主人公デュロワは、ノルマンディー地方出身の庶民。花の都パリにやって来たとはいえ、その住みかは労働者などの低所得者用のみすぼらしいアパルトマンだった。「食物の匂いと便所の匂いとの混り合った重苦しい臭気、脂垢(あぶらあか)と古壁との澱(よど [...]
ノルマンディーの作家と食 〈11〉 2016-11-12 ノルマンディーの作家と食 他 0 フランスが誇る文豪モーパッサンの長編小説2作目は『ベラミ』(1885年)。容姿を武器に出世街道をひた走る青年、デュロワが主人公だ。もともとの才能はたいしてない。でも、有能で権力のある女性に取り入ることは誰よりも上手で、あきれるほど要領よく世渡りをしていく。 ノルマンディー地方 [...]
ノルマンディーの作家と食 〈10〉 2016-10-11 ノルマンディーの作家と食 他 0 モーパッサンは、たった10年の作家生活の間、何かにとりつかれたように机に向かった。残された長編小説は6作、短編小説は実に300作以上にもなる。そして、そのインスピレーションの元は、自らの体験であることが多かった。 初の長編小説となった『女の一生』(1883年)は、作家の生まれ故 [...]
稲葉由紀子 『パリ、異邦人たちの味』 2016-10-06 ノルマンディーの作家と食 他 0 パリで幸せなことは、これまで出会ったことのなかった、さまざまな国のさまざまな料理を、現地そのままに味わうことができることだろう。これも移民が数多く住んでいることのおかげ。そんな異邦人の味のとりこになった著者が紹介してくれるのは、スペインはガリシア地方の青唐辛子の素揚げ、エチオピ [...]