
5月16日カステックス首相が辞任し、マクロン政権で運輸相、環境相、労働相を務めてきたエリザベート・ボルヌ氏が新首相に任命された。1991〜92年のエディット・クレッソン首相(社会党)以来ほぼ30年ぶりの、フランス史上2人目の女性の首相就任となった。
ボルヌ氏は1961年生まれ。11歳の時に父親を亡くし、薬剤師の母親に育てられた。国立行政学院ではなく、エコール・ポリテクニーク、国立土木学校で学んだ技術官僚。フランス国鉄SNCF、パリ市交通公団RATP総裁経験などもある。

マクロン政権内部では「左寄り」に位置付けられ「右派を怯えさせずに左派に取り入る」ことのできる人物であることも、今回の任命の理由の一つとされる。90年代はジョスパン内閣で教育、運輸の顧問、2008~13年はドラノエ=パリ市長のもとで都市計画に携わりイダルゴ現市長とも知己を得ている。ポワトゥー=シャラント地域圏知事職を通じてセゴレーヌ・ロワイヤルとつながり、2014~15年はロワイヤル環境相の下で働くなど、社会党の重鎮たちとの関係の中でキャリアを積んできた。
その一方で、マクロン政権で失業保険改革、フランス国鉄改革などを推進し、左派からは「社会福祉破壊」の批判の声も強い。
物価上昇における国民の購買力強化、マクロンが掲げる(定年65歳など)の年金改革、環境計画(新規の原発建設)などの課題が待っている。
