Choco-Story
娘の幼なじみで大の食いしん坊のパルミールを誘ってチョコレート博物館の見学だ。地上階部分は人類とカカオが共に歩んできた4000年の歴史の中でも重要な、マヤ族、アステカ族とカカオの関係がパネルや映像、オブジェなどで丁寧に説明されている。感心したのは、どの展示物も子供の目線で見られる位置に設置されていることで、小さな子供を抱き上げる必要がなくていい。また子供専用のパネルがあちこちに設置されており、さらにわかりやすい説明がされている。「カカオがお金の代わりだった」という展示に「たんなる豆じゃない!」と大声になる子供たち。貨幣以前には塩や豆など、日用の重要な食物が価値基準となっていた。カカオがマヤやアステカの人々の生活に欠かせない物だったということの証だ。
2階では、16世紀以降のヨーロッパ、そしてフランスへカカオがどのようにして導入され、定着したかが説明されている。ヨーロッパで一番早くカカオを食したのはスペインで、1615年に、フランスにカカオ=ショコラを持ち込んだのは、フェリペ3世の娘でルイ14世の母君アンヌ・ドートリッシュ。カカオに砂糖を混ぜたのはスペイン人、その前は砂糖抜きでスパイスやとうもろこしの粉と混ぜるだけ…。「うー、どんな味か想像したくない」とパルミール。フランスでショコラが庶民に手の届く食べ物になったのはナポレオン3世時代、19世紀も半ばのこと。今では嫌いだという人が珍しいくらいフランス人の生活にショコラは浸透している。最後にプラリネのつくり方のデモンストレーション&味見会を地下で楽しんだ後、チョコのついた歯を見せて「面白かった」とパルミールはにっこり。(海)
Choco-Story-Le musée gourmand du Chocolat :
28 bd Bonne Nouvelle 10e 01.4229.6860
10h-18h(年中無休)。9€-6€(6歳未満は無料)。www.museeduchocolat.fr