12月20日付パリジャン紙に掲載された、元首相で現ボルドー市長のアラン・ジュペ氏の発言は、フランスにおけるイスラームの問題やフランス社会のアイデンティティを考える上に参考になると思ので、一部を翻訳して紹介。
「私は『フランス人であるということは何か?』という問いを発したことがない。私たちは答えを知っている。2世紀前に共和国をうち建てた先達たちが、自由、平等、博愛の3語で答えている。そしてこの3語は極めて今日性を持ったもので、これに、政教分離を加えればフランスのアイデンティティになる。真の問いは、フランスが、外国人を受け入れるという伝統に今でも忠実であるかどうかということなのだ。フランスは常に移民が多い国だった。20世紀初頭は米国より多くの移民を受け入れていた。フランスにやってくる人たち、特にムスリムを、フランス社会はどこまで受け入れることができるのか、というのが今日の真の問いなのだ。私は、1998年にルモンド紙に、イスラームはフランス第2の宗教であって、他の宗教同様に尊重しなければならない、と書いてスキャンダルを引き起こしたことがある。もちろん、ギブアンドテイクで、ムスリムが共和国の法律を尊重しなければならないのはもちろんだが…」