娘の父兄会で「パリでいちばんユニークな博物館なのでぜひ」とすすめられた鉱物学博物館。10万以上の標本は世界で五指に入り、その起源は18世紀にさかのぼる。鉱石好きで自らの名がついた大ダイアモンドを所有したというルイ13、14世。その時代は、鉱石は見つけたものが自由に採石できる、という野放し状態だった。ようやく1744年、ルイ15世の財政監督官だったトリュデーヌが、フランスの鉱石は国の財産である、という王令を敷く。こうして創立されたのが、現在はグランド・ゼコールの一つとして数えられるEcole des Minesの前身で、この博物館のコレクションは同学校の歴史と共に存在している。
博物館はEcole des Minesの一角にある。通りからはわかりづらいけれど、校内に小さな看板で表示されている。図書館の脇を抜け、重厚な階段を上ると博物館の入り口。階段には奇妙な石が展示されていて、どんな博物館だろう? という興味はますますつのる。
展示室というよりは、なつかしの理科室か物理室という「学校」の雰囲気の博物館には、フランスそして世界中から採石された鉱石が整頓されている。色がきれいだったり、形が珍しかったり、そして単なる「石ころ」のようなものもあるけれど、注意深く見ていくと、例えば、パリのメニルモンタンでオパールが採石されたというような、「へぇー」という発見もある。この世のものとは思えない金銀の塊Pyrite(黄鉄鉱)、紫、透明、ピンク、緑、タラコのような色をしたFluorine(蛍石)など、石好きの私たちは「宝」を見つけたような気持ちになる。(海)
60 bd Saint-Michel 6e 01.4051.9139
火-金13h30-18h、土10h-12h30/14h-17h。 6€/3€(12歳以下は無料)。