Lasagnes à la bolognaise
ラザニアは、子供、大人のわけ隔てなく、みんなの顔がほころぶ人気料理。作り方も慣れてしまえば、ちっとも難しくない。
まずミートソースを用意する。フライパンにオリーブ油をとり、みじんに切ったタマネギを炒め、透き通ってきたら挽き肉を入れ、しばらく炒めたら、缶詰のトマトを加える。塩、コショウ、砂糖少々で味を調え、ローリエ、タイムを入れ、ふたをして弱火で15分ほど煮込む。
次はベシャメルソース。厚鍋あるいはフライパンにバターをとって、弱火にかける。バターが溶けたら小麦粉を加え、泡立て器で丁寧に混ぜ合わせ、全体がなめらかなペースト状になったら火から下ろす。だまができないようにやはり泡立て器で勢いよく混ぜ合わせつつ、少しずつ牛乳を加えていく。もう一度弱火にかけ、絶えず混ぜ合わせながら、ぐつぐつと沸騰したらでき上がり。塩、コショウで味を調え、ナツメグ適量をおろして加える。
目盛りを180度に合わせてオーブンに点火。
ラザニアの生地は長方形なので、ボクは横20センチ縦25センチくらいの型を使うことにしている。その型にバターを塗り、まずベシャメルソースの三分の一を敷く。それを生地で覆うのだが、生地は重ならないようにすることが大切で、長すぎたら折り、短すぎたら足したりしながら、全体を覆うようにしたい。生地は下ゆでしなくても、焼いている間にミートソースやベシャメルソースで柔らかくなる。その上に、ミートソース半量を敷き、さらに生地を並べ、ベシャメルソースもう三分の一を敷き、ミートソースの残りを敷き、三段目の生地を並べ、最後に残りのベシャメルソースで覆う。おろしチーズをたっぷり振りかけ、バターをちょんちょんとのせ、熱くなっているオーブンへ。最初の15分はアルミホイルでカバーして焼き、ホイルをとってからさらに15分くらい焼けば、きれいな焼き色がつくだろう。
熱々を食卓に出して、取り分け、ふーふーいいながら味わう幸せ! ワインはイ タリアの赤だったら申し分ない。(真)
牛の挽き肉350グラム、タマネギ1個、〈tomates concassées〉と記された缶詰のトマト600グラム、乾燥ラザニア生地150グラム、ローリエの葉1枚、タイム1枝、バター少々、塩、コショウ
ベシャメルソース:バター40グラム、小麦粉40グラム、牛乳500cc、ナツメグ、塩、コショウ
●ラザニアさまざま
上のレシピでは牛の挽き肉でミートソースを作ったけれど、子羊や子牛のローストが残っていたら、それを使えば、さらに味が良くなるだろう。肉の代わりに缶詰のツナを加えてもおいしくできるが、トマトソースができ上がってから最後に加えるとぱさぱさしないだろう。マッシュルームの薄切りを混ぜ入れて煮込んだミートソースを使うのもおすすめだ。生地、ミートソース、ベシャメルソースを重ねる順序だが、これも、それぞれの好みで工夫すればいい。ベシャメルソースを作るのが面倒なら、かわりにモッツァレラチーズを使ってもおいしくできる。ゆでてからみじんに切って生クリームと和えたホウレンソウや、薄く切ったクルジェットを挟んだラザニアは栄養のバランスがとれていて、うまい。
●à la bolognaise
フランス語のレシピにà la bolognaise(ボローニャ風)とあれば、イタリアのソースのフランス版、トマトと牛の挽き肉をベースにしたどろりと濃いめのソースを使った料理のことだ。
à la florentine(フィレンツェ風)は、ホウレンソウの入った料理のこと。たとえばレストランのメニューにsalade à la florentineとあれば、ホウレンソウの柔らかな若い葉入りのサラダ。foie de veau sautée à la florentineならば、子牛のレバーのソテーに、ホウレンソウのバター風味炒め煮などが添えてあるはずだ。といってもフィレンツェとホウレンソウの間にどのような関連があるのかは定かではない。
escalope à la milanaise(子牛のエスカロップ、ミラノ風)は、薄切りの子牛肉に、溶き卵、パン粉をつけたフライのこと。フライといっても、大量の油で揚げるのではなく、フライパンでバターあるいは油とバター半々でソテーして焼き色をつける。