Cotes de veau sautees a la duxelles
マッシュルーム、エシャロット、玉ネギをみじん切りにして炒め合わせたものをデュクセルduxellesといい、生クリームを加えてそのまま付け合わせにしたり、詰め物として使ったり、ソースに加えたり、と用途が広い。ぜひ覚えましょう。しばらく前に〈七面鳥の胸肉、キノコ入りクリームソース〉を作ったけれど、今回は、子牛肉を使った、その本格版です。
4人分として、玉ネギ1個、エシャロット2個を細かくみじん切りにする。マッシュルームは250グラム用意する。石づきのところをよく切れるナイフで切り取ったら、さっと洗ってよく水気をぬぐい、やはりみじん切り。
フライパンにバターを大さじ1杯とって中火にかけ、まず玉ネギとエシャロットを炒める。しばらくしたらマッシュルームを加え、塩、コショウ。おろしたナツメグ少々も加える。マッシュルームから水気が出てきたら強火にし、木のへらで絶えずかき混ぜて水気を飛ばすようにしながら、10分少々、全体がしんなりとするまで炒めていく。
骨付きの子牛の肩肉côtes de veauを4枚用意する。軽くたたいてから、両面に塩、コショウ。フライパンにバターと油を半々にとって中火にかける。熱くなったら子牛肉を入れてソテー。焼き時間は厚さにもよるが、12分から15分。途中で一度ひっくり返したい。肉を取り出し、熱くしておいた皿に盛りつける。
フライパンに残っている油・バターを捨て、トリガラのダシ150ccを加える。フライパンの底についているうま味を溶け込ますようにしながら、煮詰めていく。半分くらいになったら生クリームを半カップ加え、これもぐつぐつさせながら少々煮詰め、最後に用意してあったデュクセルを混ぜ入れ、もう数分火を通せばソースができあがる。このソースを肉の上からかけ、きざんだパセリを散らせば完成。付け合わせは、タリアテッレ。新ニンジンのバター炒めもいいなあ。(真)
●マッシュルーム champignons de Paris
マッシュルームは、champignons de Parisあるいはchampignons de couche(温床キノコ)と呼ばれている。なぜ「パリのキノコ」かというと、ナポレオン時代から最初の地下鉄工事が始まるころまでは、石が切り出されたあとのパリの地下道で大量に生産されていたからだ。その後、主な生産地は、ロワール川に沿った町ソミュールとその近辺に移り、ここで、フランスの年間生産量20万トンのうち70%が収穫されている。テュフォーという白い岩を削って作られた地下道は、温度(約15度)も湿度も一定していて、マッシュルームに最適な条件を備えている。
●マッシュルームのサラダ
さっぱりした風味、マッシュルーム好きにおすすめしたいサラダです。まず、サラダボールにレモン1個分の搾り汁を入れておく。4人分として、汚れのない真っ白なマッシュルームを300から400グラム用意する。砂がついている石づきのところを切り取り、水でさっと洗ったらよく水気をぬぐい、薄く輪切りにする。変色しないようにすぐにサラダボールに入れ、レモン汁と混ぜ合わせる。液体状の生クリームを大さじ4杯、細かく刻んだシブレットを加える。塩・コショウをし、全体を丁寧に混ぜ合わせる。これを冷蔵庫に1時間ほど入れて味をなじませた方がおいしいようだ。