★★★Cap au Nord
美しいボーカルを聞かせる美女マリ・ノルマンと、節足動物のような姿でいろいろな楽器と道具を駆使するジャン=ルイ・カポロッシの異色二人組、カプ・オ・ノールが評判。「ブールジュの春」に出演したり、ブレル賞などに輝いた彼らの実績が人気を証明している。 クルト・ワイルやサティからオリジナル曲まで、独創的サウンドで歌う彼らのエレクトロ・キャバレーは、既成のサウンドに飽きた若い音楽ファン向け。機械操作のトリップした音がレゲエのリズムに乗って妖しく揺れる女の自慰の歌 “Les nuits d’une demoiselle” は聞く者の度胆を抜き、シュールな内容の歌 “Eclipse”では、ピアノのおぼろげなメロディーに酔わされ、”Particule” などでは一転、変拍子でアグレッシヴなサウンドが聴衆の音感を混乱させる。ボーカルとのトータル・イメージが斬新な新感覚派。 6日/20h 7日/18h 8日/16h 11€/17€ *Theatre d’Ivry Antoine Vitez : 1 rue Simon Dereuse 94200 Ivry-sur-Seine 01.4670.2155 M。 Mairie d’Ivry ★★★Chanson Plus Bifluoree パリ、年末コンサートの定番は、家族や日本からのお客さんも楽しめるシャンソン・プリュス・ビフリュオレのめちゃくちゃに楽しいコンサートが最適。最近では、アズナブールやベコーの物真似まで披露してファンを喜ばせている。誰も が認めるレベルの高いトリオです。 1月5日迄。水~土/20h30 日/17h 27€(Fnac) *Auditorium St-Germain-des-Pres : 4 rue Felibien 6e 01.4407.3743 |
カプ・オ・ノール |
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●Mimosa《Bucolique》(Saravah) 『男と女』で、エーメの今は亡き恋人を演じ、みごとなサンバを歌っているピエール・バルー。彼が30年以上も前につくったレコード会社がサラヴァで、早くからエスニックな音楽やブリジット・フォンテーヌなどを録音して意欲的なアルバムを作ってきた。そのサラヴァの最新盤は、バルー自身がカナダのバンクーバーで聴いて感動したという若いグループ、ミモザ。ちょっとパリ・コンボみたいなジャッズ・ポップと軽く聞いていたら、どんどん引き込まれた。L・デヴィスの歌、A・リュミエールのキーボード、J・アメリックのトランペットがごきげん。ボサノバも快いが、ホレス・シルバー風ファンキータッチの “Blue Marlin Crawl” に脱帽。(真) |
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●バッハのチェロ組曲全曲演奏 バッハのチェロ組曲は、その内容の深さだけでなく、テクニック上のむずかしさからいってもチェロ奏者にとっての試金石。フランスのチェロ奏者ジャン=ギアン・ケラスによる全曲演奏は、各日とも現代音楽のチェロ無伴奏曲を挟んでいるのがユニーク。2日のコンサートは、オヴニー発行日 なのでもう間に合わないが、4日は、バッハの組曲4番とブリテンの傑作といわれる組曲3番。6日はバッハの組曲6番とマルコ・ストロッパの “Ay, there the rub…” ほか。8日は、バッハの1番、3番、5番とクルタッグの小品ほか。 4日と6日は12h45(9€)、8日は16h(20€)。 *Theatre du Chatelet : 1 place du Chatelet 1er 01.4028.2840 |
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●Africolor セーヌ・サン・ドニ県で毎年恒例のアフリカ音楽祭〈Africolor〉が開催されている。交通の便がいいサン・ドニ市ジェラール・フィリップ劇場に出かけてみたい。 21日(20h30)は、マリのハンターたちが演奏する弦楽器ドンソンゴニ(写真参照)の名手シビリ・サマケと、モロッコのグナワ音楽を代表するブラヒム・エル・ベルカニを核にしてできあがったグループ〈Wijdan〉ほか。 22日(16h)は、セネガルのダカールからやってきた4人の語り部が、その場で話を作り替えたりしながら、古くから伝わる物語を聞かせてくれる。 クリスマス・イブの24日(20h30~早朝)は、生活歌などを熱唱するベルベル族の女性コーラスグループ〈Yzorane〉、アルジェリアの女性歌手ハスナ・エル・ベシャリア、ブラヒム・エル・ベルカニほか。 なお同劇場で、21日から25日まで、写真家、高桑常寿がアフリカのミュージシャンたちを撮った作品も展示される。 9ロ/11€/13€(FNACでも前売り中) *Theatre Gerard Philipe : 59 bd Jules Guesde 93200 Saint Denis M。Saint-Denis Basilique 01.4813.7000 |
Photo: Tsunehiro TAKAKUWA |