1930年代にフランス語辞典ラルースが「JUDO」を紹介し、川石酒造之助(かわいし・みきのすけ)が柔道普及に努めて以来、フランス人にとって柔道は身近な存在だ。柔道の始祖・嘉納治五郎(かのう・じごろう)の教えを継ぐ精神性を重んじた日本の柔道文化を尊重しながら、指導方法はフランス式に変え、独自の発展を遂げてきた。現在フランス柔道連盟の会員は60万4千人。連盟副会長ミッシェル・ブルースさんは「フランスにおける柔道は、もはや国技」と胸を張る。
今月、パリでは国際大会グランドスラム・パリが開催される。五輪出場資格をかけた前哨戦であり、最高の見学の機会だ。見るだけでは飽き足らぬ人は、道場の門をくぐろう。フランスは5700以上のクラブを数える柔道大国。オヴニーはブルターニュで柔道指導にあたる五輪金メダリスト佐々木光さんの柔道指導を見学した。
まさに見るもよし、行うもよし!五輪競技のスポーツであり、かつ武道のとして精神の鍛錬の術でもある柔道。奥深いJUDOの世界を再発見だ。(瑞)
構成・取材・文/林瑞絵、治部美和
撮影協力/Dojo de la chapelle