“ Migrant”
シリア、アフガニスタンなどからの十万人を超える難民を、欧州がどう受け入れるかが大きな問題になっている。今年の初めころから、フランスのほとんどのマスコミが「難民」に当たる「réfugié」ではなく「migrant」というコトバを使っている。この単語は、2002年くらいから市民団体を中心に使われ始めたという。当時、パドカレー県のサンガットに、英国に渡ろうと試みる外国人数百人が野宿していた。彼らはフランスに滞在するつもりがないのだから「sans-papiers (不法滞在者)」や「immigrés(外国からの滞在者)」の範疇には入らない。また、フランスに受け入れてもらって保護してもらうことを望んでいるわけでもないので「refugiés」も当てはまらない。そこで 「migrants」というコトバが使われるようになったという。「migrants」を辞書で引いてみると「ある国や地方の個人あるいは集団が、経済的、政治的、文化的な理由で意識的に他の国や地方に移動すること」とある。