いい魚屋を見つけるのにはどうしたらいいのだろう。活きのいい魚を売っているかどうかは、まず店自体が魚臭くないかどうかで判断。さらに腐りが早いサバのような青魚の眼が、赤く濁ってなくキラキラしていて、胴が盛り上がっていること、などが目印だ。ボクの通う魚屋では、サバがまだ死後硬直の状態でそり返っていたりする。真ダラなどのおろし身を大量に盛り上げている店も避けたい。第一、いつおろされたのかも確かでない。
独り暮らしのお年寄りが「メルラン(小さめのタラ)を1尾」と注文しても「Voulez-vous qu’on le prépare en filets? おろしましょうか?」と笑顔で下準備してくれる魚屋を見つけたいなあ。
ボクらの魚屋のおろし方はみごとだ! ヒラメをおろしたあとの骨には身がまったくといっていいほど付いてない。おいしい縁側もきちんとおろし身にくっ付いている。サバなどの安い魚でも、おろしてから骨抜きできちんと中骨を抜いてくれる。以前の魚屋には、おろすことだけに専念する人がいて、買われた順番に、魚を次から次へとみごとな手際でおろしていったものだ。そして客はチップを渡すことが習慣だった。「日本人は魚を生で食べることが好きらしいけれど、ボクらブルターニュ人も魚を生で食べるんだよ」と話しかけられたのも、こんなおろしのプロだった。
それにしても青いゴム引き前掛けをつけて、青いゴム長をはいた女性の魚屋は、どこか色っぽいなあ!(真)