地中海でとれるウニは、冬にその最盛期を迎える。毎年開催される通称「ウニ祭り」は、マルセイユ市から西へ30キロほどにある、Carry le Rouetという港町で行われている(www.otcarrylerouet.fr)。2月の日曜日、この小さな港は海の珍味を思う存分堪能しようと、多くの人々が集う。フランスでもローマ帝国時代から人々に珍重されていたというウニ。調理はいたってシンプルで、専用のはさみで豪快にまっぷたつ。中身をスプーンですくって生のママいただきます。身をくずさないように慎重に口に運べば、舌の上でとろける甘みにうっとり。
そのお祭りは16日で終わっているが、ウニのシーズンは今。マルセイユのシーフードレストランやマルシェでも新鮮なウニにお目にかかれる。パリではまずめったに巡り会えない贅沢だけに奮発したい。しょうゆやご飯を持参して、和風でいただくのもまた一興。あつあつのパスタに絡めてというのも、もちろん良い。3月末くらいまでは水あげされるそうなので、急いで出かけたい。マルシェにはヒラメやスズキをはじめ、伊勢エビからウツボまで多種多様な海の幸が並び、これまた珍しいホヤも水あげされている。ミモザの花が春の訪れを告げるこの季節、海の幸が一段とおいしくなるマルセイユに出かけよう。(高)
●Café de l’Abbaye
知る人ぞ知る、マルセイユの名店。店内は狭いのに、なぜか居心地が良い。ワンプレートでしっかり食べられる日替わりランチは、シンプルで元気が出る。もちろん獲れたてのお魚も。グラスワインはなんと2€。そしてなみなみと注いでくれるパスティスがまた格別。常連さんに混じってクラスを傾けていると、マルセイユっていいなぁ、と思う店。
月〜土11h30-22h。日休。
3 rue d’Endoume 13001 Marseille
●Toinou
繁華街の中心地にある充実した品揃えのシーフードレストラン。店先には持ち帰り用のお魚屋さんも出て、活気がある。人気店なのでウニは早い時間に売り切れてしまうこともあるから要注意。11h30-0h。無休。
3 Cours Saint-Louis 13001 Marseille
04.9154.0879
●La Table à Deniz
料理も雰囲気もサービスも、全て大満足で文句ナシと地元でも評判。メインは13ユーロ前後と値段も良心的。
月〜金12h-15h30、金土19h30-23h30。
63 rue Sainte 13001 Marseille
04.9154.1974
●La Part des Anges
ナチュラルワイン好きの人たちが集まってくるワインバー。料理もワインに合うように工夫されている。
9h-02h(日は9h-13h、18h-02h)。無休。
33 rue Sainte 13001 Marseille
04.9133.5570
●Marseille
漁師さん直営の朝市が魅力のVieux-Port。黄金のマリア像が輝くノートルダム・ド・ラ・ガルドから見る絶景。2013年にオープンした欧州地中海文明博物館MuCEM、コバルトブルーの海と白い断崖の入江カランクcalanqueなど、見どころが尽きないマルセイユ。町から手軽に遊びに行けるビーチPlages du Pradoへは、Vieux-Portを通る83番のバスに乗れば、車窓から美しい海の眺めが。終点Plages du Pradoは、整備された白い砂浜が特徴。なぜかシンボルとしてたたずむ、ダビデ像の複製。なんと立派に大理石でできているというから驚いた。
◆リヨン駅からTGVで約3時間20分。料金は平日か週末か、早めのの予約かどうかでかなりの差があるので、www.voyages-sncf.com/参照。
◆Office du tourisme(観光局):
11 La Canebière 0826.500.500