フランスでもアンコウlotteは、小骨がないこともあって人気魚で高価。でもあん肝は見当たらない。 日本なら酒蒸しにして、もみじおろし、ユズを添えたポン酢で食べたりしたら極上の一品。身と一緒にちり鍋も素晴らしい。 フランスでは、一部はレストランに流れたり、加工されたりするのだろうが、残りはどこに消えたのか、謎である。
ディエップの朝市に行ったら、そのあん肝をキロ5ユーロで売っていたが、あいにくアイスボックスを持ち合わせてなかったので、涙。
時々夏に滞在する大西洋のウエサン島に一軒だけ魚屋がある。そこに、5、6年前、そのアン肝の塊が置いてある! 他の魚を買ったりしたら、「誰も買わないんですよ」とそのアン肝を500グラムほどプレゼントしてくれた! そこで、フランス人が好きになるように、フォワグラ風にバター焼きして広めちゃえ、と張り切った。焼く時にバターを吸いすぎないように、まずビネガーをきかせたクールブイヨンで表面の色が変わるまで、さっとゆでる。そのまま冷ましてから慎重にとり出し、表面の水気をよくぬぐってから塩、コショウし、バターで炒める。島名物のブラックベリーをベースにした甘酸っぱいソースを添えるとうまい! その作り方を書いて魚屋さんに渡した。ところがである、翌年、きちんとキロ5ユーロになっているではないか。ボクのレシピのコピーも置いてある。うれしいような悲しいような。でもたかだかキロ5ユーロと、ありがたく買わせてもらいました。(真)