パリ郊外セルジーに35ヘクタールの広さの農園がある。土曜や日曜が秋晴れなら、家族連れで出かけていろいろな野菜や果物を収穫したい。9月半ばから11月半ばまではリンゴ狩り。
そのリンゴの品種がじつに豊富。一列に並んだリンゴの木に、赤や黄色のリンゴがたわわに実る、と言いたいところだけれど、週末明けだったので、よく熟したリンゴは手が届かない高さに多い。踏み台を持ってくればよかった、と後悔。でも40分近くもいでいると、木箱cageot(リンゴ園入り口に詰んである)がいっぱいに。知らないリンゴは味見が一番。ただかじり捨てはしたくない。やはりナイフを持参し1個を切り分けみんなで味わいたい。他には、トマト(種類が豊富)や、長ネギ、ラディッシュやニンジンを「収穫」。自分で植えて世話したわけではないが、しゃがんでラディッシュを抜いて、汗をかいていると、誇らかに「収穫」と胸を張りたくなってしまう。
来年の春には、子供たちを連れて、 サンドイッチも持って、イチゴを摘みにこよう。(真)
写真:右上から反時計回りに:
①Jonagold 大型のリンゴ。酸味と甘みのバランスがよい。生食やタルトに。
②Reinette du Canada これも大型。適度の甘み。オーブンで焼きリンゴに。
③Belchard 中型。香り高く、そのまま食べたい。
④Rouge americaine 小型。皮が厚く、やや酸味がかっている。タルト向き。
●リンゴのもぎ方
リンゴ畑でのリンゴのもぎ方を勉強。リンゴは、木の下の方から上の方へともいでいく。こうすればリンゴが落ちた時も、下のリンゴに当たらないから被害が1個ですむのです。人差し指か中指でへたの付け根を押さえるようにしながら、リンゴをつかむ。手首を、スナップをきかせ上に向けてひねると、ヘタごときれいにもぎとることができる。とったリンゴは慎重に木箱やカゴに重ねていく。リンゴ同士をぶつけたりすると、そこがしみになって傷んでいく。
砂糖煮やタルトを作っても、まだリンゴが残ったら、ビニール袋に入れて冷蔵庫の野菜室に入れておくと長持ちする。冷やしたリンゴは、果糖がアルファ型からベータ型に変化して、甘さが増すものだ。量が多くて冷蔵庫におさまりきれない時は、地下のような、涼しく暗い所に、尻を上に向けて木箱などに重ならないよう並べておけば、2カ月は大丈夫。
●リンゴの品種
この〈Cueuillette de Cergy〉には、上のリンゴ以外にも、Gala、Elstar、Golden、Pinova、Granny Smith、Melroseなどの品種がある。値段は一律なので、好きなリンゴを好きな量だけ混ぜ合わせることができる。1キロ1.95€、10キロ以上だとキロ1.65€。右の写真のように木箱山盛り(約18キロ)は26€。入り口近くで、計ってもらって支払う。「週末は長い列ができてしまうので、13時前に収穫を終わった方がいいですよ」と親切なお兄さん。
これが、きょう1時間の収穫。ほかにもラディッシュやニンジンも掘りました、というか抜きました。
家からは、リンゴなどを味見する時に必要な折りたたみナイフ、ダリヤやカーネーションを花束にしてという人はハサミ、タオル、夏なら帽子も用意する。そして長靴か底厚の丈夫な靴を履いてくる。
最初に入り口で野菜をそれぞれ別々に入れるビニール袋を多めにとること。たくさん買う予定なら写真に写っているリヤカーも必要になる。果物や野菜がまだ収穫時期でないところには赤白テープが貼ってあるので、入らないこと。