●Nathalia Edenmont
スウェーデン内外で賛否両論の反響を引き起こしている若手女性写真家の作品。食肉の塊を手にした裸の女性を撮った『Unborn』、トイレットペーパーでできた夜会服の女性「Excellence」など、風刺的な作品群。館内カフェとその向かい側の建物でも展示している。1/22迄(月休)。
Institut Suédois : 11 rue Payenne 3e
●Christophe Agou
フォレーズ地方出身の写真家が故郷に戻って、昔ながらの生活をしている老いた農家の人々を撮った。家禽(かきん)小屋を見回る女性、引き出しの中にむき出しのまま入れられたバゲットの残り、自動車の運転席に上る鶏…農村地帯の日常の孤独と悲哀が滲み出ている。写真集は、2010年に第17回ヨーロッパ写真本賞を受賞した。1/14迄(月休)。
Galerie Fait&Cause : 58 rue Quincampoix 4e
●Mario Giacomelli (1925-2000)
少年時代から絵を描き、詩を書いていたジャコメッリは、13歳で印刷工になり、青年になってから、絵画の視点から独学で写真を始めた。抽象画のような畑の風景と、ハンカチを被ったしわだらけの顔。別々の写真が奇妙に重なる。リラックスして戯れる修道僧たち、道行く黒装束の女性と後ろから光が出ているかのような少年など、詩情に満ちた静かで不思議な世界。2画廊で同時開催。12/10迄(月休)。
Galerie Aittouarès : 2 rue des Beaux-Arts 6e
Galerie Berthet-Aittouarès : 29 rue de Seine 6e
●Gisèle Freund
ナチスの台頭を逃れパリに来た若いユダヤ系ドイツ人、ジゼル・フロインドは、オデオン通りの書店に入ったときから店主のアドリエンヌ・モニエと友人になり、作家の肖像写真を撮る機会に恵まれるようになった。作家志望のフロインドは、会う前に必ず著作を読み、作品の話をしながら撮影を進めた。ジッド、マルロー、サルトル、ジョイス、ヴァージニア・ウルフなど。イヴ・サンローラン財団では、1933年から1940年までにフロインドが撮った作家の写真を展示。サンジェルマン・デプレのギャラリーでは、マンレイなど、サンジェルマンデプレの芸術家たち(作家に限らず)の写真を展示している。どちらも1/29迄(月休)。
Fondation Pierre-Bergé-Yves Saint Laurent :
3 rue Léonce-Reynaud 16e
Galerie Lucie Weil&Seligmann :
6 rue Bonaparte 6e
© heritiers Mario Giacomelli