
Château de Grignan et Madame de Sevigné
グリニャン城とセヴィニエ夫人
フランス南東、ヴァランスとアヴィニョンの間に位置するドローム県グリニャンは、岩山に蜂蜜色の古城がそびえる中世の村。2019年に「フランスの最も美しい村」に認定された。11世紀頃から要塞城があり、ルネサンス期に壮麗な城に生まれ変わった。ルネサンス様式と古典様式の折衷で、「南のヴェルサイユ宮殿」との異名も取る。
この地ゆかりの人物といえば、セヴィニェ侯爵夫人(1626-1696)。25歳で未亡人となったが、愛娘フランソワーズがグリニャン伯爵のもとに嫁ぐと、パリから愛情たっぷりの手紙を送り始めた。その数、約25年間で764通。ちょっと母性愛が重たい気もするが、宮廷文化を活写した手紙は死後に出版へ。書簡作家の始祖的存在となり、文学史に名を残した。


夫人は娘に会いに訪れた3度目のグリニャン滞在中に70歳で亡くなり、城の下にあるサン・ソヴール参事会教会に埋葬された。城内にはフランソワーズの部屋や、フランソワ1世ゆかりの王の広間、20世紀初頭に城を改修した裕福な未亡人マリー・フォンテーヌの部屋などがある。美術品や調度品で飾られ、往時の貴族文化が偲ばれるよう。城のテラスからは山々や平原、枯れた情緒の赤い瓦屋根が眼下に広がる。夫人は「美しく、勝利に満ちた眺め」と手紙にしたためた。



グリニャンの村には石造りの家が肩を寄せ合い、中世の面影が残っている。石畳の道を歩けば、作家らしく羽根ペンを持ち、可愛いツインテール風髪型のセヴィニェ夫人像がある噴水や、ヴェルサイユのプチ・トリアノンからヒントを得たという、19世紀の屋根付き共同洗濯場にも出会うことができる。


2026年はセヴィニェ夫人生誕400年。グリニャンでは演劇や朗読会ら関連イベントを年間通し実施する。また、夫人が住んだパリのマレ地区にあるカルナヴァレ美術館では、現在 「マダム・ド・セヴィニェ〜パリからの手紙」 展が開催中だ。(瑞)
◉ パリからの行き方
パリ・リヨン駅からTGVでMontélimarまで約3時間。
モンテリマールからはAuvergne-Rhône-Alpes交通
D36/X71番のバスでGrignan/PLACE CASTELLANE下車。所要時間約40分。
◉ Château de Grignan グリニャン城
23 rue Montant au Château
26230 Grignan Tél : 04.7591.8350
10h-18h30(7/6-11は10h30-)。
開館時間や休館日は変わるのでサイトで確認を。
7・8月無休。8€/6€/12歳未満無料。
www.chateaudegrignan.fr
◉ レストラン Le Clair de Plume
同名の4つ星ホテル内にあるミシュラン1つ星レストラン。シェフのグレン・ヴィエル監修で、フォアグラやオリーヴなど、南西部やプロヴァンス地方の食材が堪能できる。近くには姉妹ホテル・ビストロ「La Ferme Chapouton」、グリニャンの町の中心にはビストロ「Café des Vignerons」もあるので、腹具合・懐具合で選ぶことができる。
Le Clair de la Plume
2 place du Mail 26230 Grignan
www.clairplume.com





【PARIS】
Musée Carnavalet
パリのマレ地区ヴォージュ広場に生まれ、後にカルナヴァレ館に暮らしたセヴィニエ夫人。パリでの生活を顧みる展覧会。親密な友人や文学サークルの集まり、好きな散歩の場所、オペラ…夫人が通った場所を記したパリの地図も、活動的な夫人が彷彿として興味深い。(8/23まで)

Musée Carnavalet – Histoire de Paris
23 rue de Sévigné 3e
M°Saint-Paul / Chemin Vert
www.carnavalet.paris.fr/
月休10h-17h45 15€/13€常設展無料。
