凱旋門からモンソー公園へと続くオッシュ大通り。日本国大使館があるこの通りにあるのが、最高級ホテル(パラス)のル・ロワイヤル・モンソーだ。千星さんは、このホテルの飲食部門でエグゼクティヴ・シェフを務めている。
大学生の頃に、フランスで合計2年間の語学留学を経験。一般企業に就職したが、料理の道を目指し、パリのコルドン・ブルーへの留学を決めた。「25歳での入学は、ずいぶん遅いスタート。とにかく、がむしゃらに頑張りました」。
卒業後はホテル・リッツを経て、当時ミシュランの三ツ星を取得したばかりの、ル・ブリストルのメインダイニングへ。料理人たちのレベルの高さに圧倒される毎日で、シェフからも頻繁にダメ出しを食らった。同ホテル内ブラッスリーに異動した後は、ジュのとり方や魚の火入れなど、フランス料理の重要な技術をしっかり身につける機会に恵まれた。その後、ホテル・ジョルジュ・サンクのル・サンクへ。エリック・ブリファー、ダヴィッド・ビゼーなどのシェフから、多くを学んだという。「複数の野菜の組み合わせ方、料理を美しく見せる技術など、学んだすべてがいまの仕事に役立っていると実感しています」。
ジュネーヴのホテルでの仕事を経て、千星さんは韓国へ渡る。奥様が韓国人で、「フランス生まれの子供たちに、妻の祖国での生活を経験させたい」との思いからだった。済州島の高級リゾートホテルのエグゼクティブ・スーシェフを任され、5年間をすごした。韓国人ばかりの職場での人間関係は大変で、「まさに人生勉強」だったという。そして、約1年半前にパリへ戻り現職へ。ホテルの仕事は管理職的内容が多く、「自分の好きな料理ができていない」と思うこともある。将来、次のステップに進めるならば、レストランなどの形態で「インスピレーションにあふれた自分自身の料理を、パリの人に食べてほしい」と語った。(恵)
Le Royal Monceau
Adresse : 37 avenue Hoche, 75008 Paris , FranceTEL : 01.4299.8800
アクセス : M°Charles de Gaulle - Étoile
URL : http://www.leroyalmonceau.com
無休 Le Bar Long の営業時間8h-0h(土日祝は10h-)