7月3日、2024年のパリ五輪の聖火リレーに向けて、パリ市内でのルートが発表された。一週間前に発表されたフランス各地の聖火リレーの日程に続き、着々とオリンピックに向けた準備が進んでいる。
7月14・15日、2日間のパリ市内リレー
ルートは、パリオリンピック・パラリンピック競技大会委員長トニー・エスタンゲの付き添いのもと、パリ市長アンヌ・イダルゴによって発表された。2024年7月14日と15日の2日間に渡るパリでの聖火リレーは、パリの全20区を通過する。7月14日は国民の祝日、フランス革命記念日にあたり、盛り上がりが期待される。
1日目はシャンゼリゼ通りからスタートし、パンテオン、ノートルダム寺院、ルーブル美術館、コンコルド広場などのパリの観光名所を多数通過する。加えてフランスの政治をつかさどる上院(元老院)と下院(国民議会)でも聖火がリレーされ、ゴールはパリ市庁舎、とフランスの行政機関が多くチェックポイントに含まれている。
続く2日目は、パリ市民の憩いの場ヴァンセンヌの森、テニス全仏オープンの会場として知られるロラン・ギャロスなどを通る予定。また18区や19区などの、パリ観光になかなか組み込まれない庶民的な地区もルートに盛り込まれているのも特徴だ。
第二次世界大戦中のユダヤ人迫害の歴史を伝えるショア記念館、アラブ世界研究所、さらには2015年の同時多発テロの現場バタクラン劇場なども通過予定。パリの歴史と文化と多様性の詰まったルートになっている。
__人々が生活し、働き、子どもを育てている町としてのパリも含めて、世界に発信したい。
アンヌ・イダルゴ=パリ市長
14日は主にフランスの首都としての中枢機能を持つパリを、15日は主にパリ市民が暮らす生活の場としてのパリを見せたい、とイダルゴ市長。
「庶民が暮らすパリというのは、決して人々が一番に思い浮かべるパリではありません。しかし普通の人々が生活し、働き、子どもを育てている町としてのパリも含めて、私たちは世界に発信したいのです…この聖火リレーが希望のメッセージになると考えています。」と記者団の前で思いを語った。
通過地点のチョイスと発表会のスピーチからは、パリの全ての人を取り込んで、このオリンピック・パラリンピックを成功させたい、という熱意が伝わってくる。
14日には31km、15日には27.5kmの道のりを聖火がリレーされることになる。1日あたり100人前後の聖火ランナーがそれぞれ200〜300mを走るが、公募によって選ばれるランナーは現在選考中とのこと。これから約1年間をかけて、パリの街が五輪色に染まっていくのがますます楽しみだ。(赤)