Boeuf bourguignon
ブッフ・ブルギニョンは、フランスの牛肉料理の中でも王者の貫禄がある。10年以上前にその「決定版」を紹介したけれど、それからも作り方を工夫してきていて、これが自信のニューバージョンです。
脂身が適度に混じっている肩ロースを1キロ買ってくる。1本分の赤ワインを鍋にとり、うまみが凝縮するように、20分ほど弱火で沸騰させて少々煮詰める。ワインは、コット・デュ・ローヌや南仏のこくのある赤で十分だ。水500ccを中火にかけ、市販のキューブ状のビーフブイヨンbouillon de bœuf 1個を溶かしておく。
肉は4センチほどの角切りにする。ニンジンは1.5センチくらいの輪切り、玉ネギ2個は二つに切り分けて薄切りにする。
ココット鍋に油を大さじ4杯とり、強火で肉をいためる。まんべんなく焼き色がついたら、小麦粉を振りかけ、よく混ぜ合わせながら数分火を通す。ブイヨンを半量加え木のへらで混ぜ合わせる。くだいた黒コショウ小さじ1杯と二つに割って芯をとったニンニクを入れ、しばらくぐつぐつさせたら赤ワイン、残りのブイヨンをひたひたに注ぐ。ニンジン、薄切り玉ネギ、ブーケ・ガルニ、丁字2本を刺した丸のままの玉ネギを入れ、沸騰したらアクをとり、ふたをして弱火で煮こんでいく。好みでブラックチョコレートを2片ほど加えてもいい。ときどき表面に浮いてくる脂やアクをとる。
2時間たったら火からおろし、ブーケ・ガルニ、丁字を刺した玉ネギをのぞき、少なくとも半日置いておくことがコツ。こうすると、肉に味がよくしみ込むし、表面に白く凝固した脂をのぞくこともできる。
細長く切り分けたベーコンと小玉ネギを軽く焼き色がつくまでフライパンでいためる。マッシュルームも、ふたつあるいは四つに切り分け、やはり焼き色がつくまで油でいためておく。ココット鍋を中弱火にかけ、沸騰してから20分ほど火を通し、ベーコン、小玉ネギ、マッシュルームを加え、あと10分の辛抱だ。
最後に、塩、コショウで味を調え、パセリを散らして食卓へ。ワインはもちろん料理に使ったコット・デュ・ローヌです。(真)
4人分:牛肩ロースmacreuse/paleron 1kg
ニンジン2本、玉ネギ3個(1個は丁字を刺すため)、小玉ネギ16個、ベーコン lard fumé 150g、マッシュルーム200g、ニンニク2片、丁字2本、ブーケ・ガルニ、パセリ、小麦粉大さじ2杯、赤ワイン1本、ビーフブイヨン500cc、好みでブラックチョコレート少々、油、塩、コショウ
ブッフ・ブルギニョンの付け合わせは何にしよう?
Accompagnement du bœuf bourguignon
ブッフ・ブルギニョンの付け合わせは、おいしいソースを味わいやすいものに限る。というわけで、まず、小さめのジャガイモを皮をむいてから丸ごと塩ゆでにしたものだ。ソースを吸いやすいようにフォークで簡単につぶせるくらいにゆで上げたい。もちろんマッシュポテトでもいい。
もう一つの定番は、コキエットcoquilletteというごく小さなパスタ。アルデンテよりはやわらかめにゆで上げ、バター適量を混ぜ合わせてから添える。好みではバターライスも悪くない。
Boeuf carottes
この一品は、白ワインを使った牛肉の煮込み料理で、新ニンジンが出回るようになったらぜひ作りたい。というのも、ニンジンが少なくとも1キロ入るからだ。
牛の肩ロースpaleron 1キロを、4センチ角に切り分ける。ココット鍋に油をとって、焼き色がつくまでいためる。バターを大さじ2杯ほど足して、みじんに切った玉ネギ2個とニンニク2片を加え、塩、コショウし、混ぜ合わせる。ニンニクのいい匂いがしてきたら、白ワイン400ccを注いで、鍋の底にこびりついているうまみを、木のへらを使って溶けこませる。
ビーフブイヨンのキューブ1個を入れ、水をひたひたに注ぐ。ブーケ・ガルニを加え、沸騰したら弱火に落とし、ふたをしてことこと1時間15分ほど煮込んだら、1センチほどの厚さに輪切りにしたニンジンを加え、ふたをしてもう45分煮こんでいく。塩、コショウで味を調え、きざんだパセリをたっぷり散らしたい。ニンジンのおいしさにびっくりしてしまう。付け合わせには、ブッフ・ブルギニョン同様に、やわらかくゆでたジャガイモがいいだろう。