トロワの街を歩いていると教会が多いことに気づく。入ってみると、ひっそりと、しかし荘厳に、ステンドグラスが翼廊や周歩廊を彩っている。
大聖堂を筆頭に、これら教会のステンドグラスはこの町の誇りだ。トロワを県庁所在地とするオーブ県は歴史的な作品がフランスで最も多く残るステンドグラスの都。そんな町にオープンした Cité du Vitrail(ステンドグラスセンター)へ行ってみよう。教会内では細部まで見られないステンドグラスを間近に見たり、発展の歴史、制作法などに触れることができる。中世の施療院を改修した同センター内に18世紀の姿のまま再現された薬局 apothicairerieも見どころだ。
せっかくだから、やはり年末に改修オープンしたばかりの現代美術館にも足をのばしたい。司教館だった建物内にこの町の名士が収集した名品がひしめいているが、大きすぎず、混雑せず、理想的な条件で鑑賞ができる穴場。中世の面影を残す庭にも現代彫刻が置かれ、冬でも趣がたっぷりだ。
繊維産業が発達したトロワならではの近郊のアウトレットや、ニット産業博物館には今回は行けなかったが、郷土料理アンドゥイエットをしっかりと堪能できた。(集)
トロワで文化と食を楽しむ。
トロワでは昨年末、ステンドグラス・センターと、その中にある18世紀の薬局、現代美術館がほぼ同時にリニューアル・オープンした。ステンドグラスは多くの地方にもあるが、特にこの地方で発達し、黄金期といわれる16世紀には、聖ウルバン教会の周辺だけでも28もの工房があったという。
今回は新しくオープンしたそれら3ヵ所の文化施設と、圧巻のディスプレーでコンセプトも異色の道具博物館を訪れた。シャンパンのコルクの形をした街を歩いた後は、食事とシャンパン、ワインで乾杯です。
● Troyes La Champagne Tourisme :
16 rue Aristide Briand 10000 Troyes
11~4月 : 月~土 9h30-12h30 / 14h-18h
5〜10月は昼休憩なし。Tél : 03.2582.627
● パリからトロワへの行き方 :
パリ東駅 Gare de l’Est からはTERで1時間半ほどで到着。駅から市庁舎や観光局がある広場や、常設マルシェまでは、駅前から伸びる大通りをまっすぐ。徒歩10分ほど。次ページのステンドグラスセンターまで15分ほど。
取材・文 : 編集部、児玉しおり
取材協力 : Troyes La Champagne Tourisme