連載「ふつ・わ」は、フランスで揃えやすい食材で作る、和風の料理シリーズです。
「えっ、なあに?」とびっくりされても仕方がない。じつは、しめサバの上にたっぷりのせた大根おろしを雪に見立てての命名なのです。
サバを好みの量買い、頭とハラワタをとってもらい、すかさず家に持ち帰る。三枚におろし、血などの汚れをキッチンペーパーを使って丁寧にぬぐう。両面に塩を多めに振って冷蔵庫に入れ、3時間はしめる。ぼくは皿の上に巻きすをのせ、その上にサバを置くことにしている。
3時間たったら、表面の水気をふきとる。バッドにおろし身がかぶるくらいの酢、砂糖少々、せん切りにした昆布適量を入れ、魚を並べ、途中でひっくり返し、20分から30分しめる。薄皮をむき、腹骨を切りとる。ここまではいつものとおりだが、フランスのサバは小さめで中骨を抜きとるのが面倒。そこで、その中骨を切り落とすようにしながらおろし身を二枚に切り分け、食べやすいひし形状に切り分ける。そして大皿に盛りつけるのだが、まとまらず乱雑で美しくない。
そこで、たっぷりの大根おろしでサバをおおえば名前も風流「雪の下のサバ」が完成。小口切りにした細ねぎを散らし、おろしショウガを添える。(真)