Salade de riz
ぼくらの夏のバカンスのたのしみは、ブルターニュの広々とした浜で、陽が沈んでいくのを見ながらのピクニックだ。そんなときに作るのが米のサラダです。日本風に米を炊くと、米粒がくっつきすぎていてたくさんの具がまんべんなく混ざらない。フランス人のように、クレオール風に米をたっぷりの水で煮てからパソワールにあけてもいいのだが、米のうまみはどこへやら。
そこで、カマルグやイタリアの丸米あるいはタイ産の香米をといでから、パソワールにあけて水を切る。厚手の鍋に多めにオリーブ油をとり、中火で数分炒めてから水加減をする。沸騰したら一度混ぜ合わせ、ふたをして弱火で炊き上げる。蒸らしたら、丁寧にほぐして冷ましておく。
さて、浜に出かける前になったら具を用意する。保存してある缶詰や冷蔵庫にあるおいしいものたちを動員することにしよう。野菜なら、小さなさいの目に切ったトマトやキュウリ、薄切りにしたラディッシュ、スイートコーン…。ほかにも小さくちぎったレタス、さっとゆでたサヤインゲン、薄切りにした玉ネギ、種を抜いた黒オリーブを加えるのもおすすめだ。好みでケッパーやきざんだコルニションなどを入れてもいい。肉・魚介類といえば、ローストチキンの残りやハム、缶詰のツナ、むきエビ、ムール貝のむき身など。ムール貝は丸ごとだが、ほかは小さく切り分けたり、細かくほぐしたりする。
このサラダ、とにかくいろんなものがたくさん入れば入るほどおいしくなる。以上を大きなボウルにとり、ビネグレットソース適量を加えて混ぜ合わせる。マスタード少々を加えるのもいい。海の幸中心なら、オリーブ油とレモンのしぼり汁のドレッシングがいいだろう。最後に冷えたごはんを加えて全体を丁寧に混ぜ合わせる。以上を大きなタッパーに移し、薄く切ったゆで卵で飾ってパセリを散らせば、世界一のサラッド・ド・リ。クーラーボックスに入った缶ビールやジュース、白ワインで乾杯。空は夕焼けだ。(真)
米は4人分で300gくらい。ほかの材料はお好みの量で。
Sandwich
ピクニックといえばやっぱりサンドイッチ。バゲットパンを三つくらいに切り分けて、二つに切り分け、マスタードやバターを塗る。これにハムや薄く切ったソーシソンをはさんだり、さらにエマンタールチーズの薄切りを重ねてもいい。レタスや輪切りにしたキュウリ、トマトも加えれば栄養のバランスもとれる。ローストチキンの残りや缶詰のツナを入れるなら、バターよりマヨネーズが合う。固ゆで卵の輪切り、チーズならロックフォール、コンテ、カンタルなどもサンドイッチ向きだ。
Duralex, Opinel
ワインを持参なら、くれぐれも栓抜きを忘れないように! そしてコップもいるだろう。Duralex製の、割れないし重ねることができるコップが便利。紙皿、フォークやスプーン、テーブルがわりになるようなテーブルクロス、手ふき用のペーパーナプキンなども忘れずに持参したい。また皮付きの果物や丸ごとのソーシソンを持っていくのなら、折りたたみナイフも必要だ。値段も手ごろで切れ味もバカにならないOpinel製がおすすめ。いろいろなサイズのものがあるので、自分の手に合ったものを選びたい。
Entrée d’août : Poissons frits
メルランmerlanや真ダラcabillaudなどの白身魚のおろし身を買ってくる。骨が残っているようだったらとげ抜きなどで慎重にとりのぞきたい。8センチほどの長さに切り、さらにそれを縦に三つか四つに切り分け、塩。コショウ。これを天ぷらよりやや固めの衣でおおって揚げていくのだが、衣は水のかわりにビールを使うとカラッと揚がるようだし、かすかだがビールの風味も加わる。これをせん切りにしたレタスなどの上に盛り上げる。マヨネーズを添えてもいいのだが、塩の華とレモンで味わう方が白身魚の風味が生きる。