ガス料金の値上げをはじめとして、この10月、日常生活のなかで変わること。
▶︎ガスの規制料金(エンジー)12.6%値上げ
調理用ガスは4.5%、調理・湯沸かし両用のガスは9.1%、暖房用ガスは14.3%の値上げで、平均13.9%(税込12.6%)の値上げとなる。ヨーロッパのガス市場価格が高いため。ガス市場は2007年から全面自由化されているが、伝統的ガス会社エンジ―(旧GDF)が供給するガスは政府認可の規制料金であり、毎月変動する。7月(約10%)、8月(約5%)、9月(8.7%)と値上がりし、今回の値上げで今年1月比57%も上昇した。批判を受けて、カステックス首相は15日には、ガス・電気援助小切手を支給されている低所得世帯に12月分を100€増額するとしたほか、29日には10月の値上げ以降は来年4月まで料金を凍結すると発表した。
首相は、2月に12%値上げ予定の電気の規制料金(EDF)も、税金引き下げによって4%程度の値上げに抑えるとした。
▶︎法定最低賃金(SMIC)、2.2%引上げ
2.2%の物価上昇に伴うSMIC引上げにより、SMICの時給は10.25€から10.48€へ、フルタイムの月額給与は1554€から1589€になる(いずれも税引前)。
▶︎失業手当の計算方法が変更
10月1日以降に失業者になった人について、失業手当の算出の元となる日当は、職業安定所(Pôle emploi)登録前の24ヵ月間(以前は12ヶ月間だった)に得た給与の日割り額となる。収入のない期間も含まれるため(非就労日数は就労日数の75%までが計算に入れられる)、派遣労働者など不定期の労働者には不利になる一方、手当受給期間は平均11ヵ月から平均14ヵ月に延びる。
▶︎住宅手当、0.42%増
平均家賃額の上昇率に伴い、個別住宅手当(APL)、家族住宅手当(ALF)、社会住宅手当(ALS)が0.42%とわずかに上昇。
▶︎9月30日から未成年にも衛生パス適用
飲食店、列車、映画館、美術館、プールなど衛生パスの提示が義務付けられる場所で、12歳2ヵ月以上の未成年にも同様に提示が義務付けられる。
▶︎自殺予防フリーダイヤル「31 14」新設
これまで市民団体などが各自設けていた自殺予防フリーダイヤルが全国的に統括され、年中無休の24時間体制で、看護師、精神科医、心理カウンセラーらが対応する。精神的に脆弱な状態にある人やその家族のほか、医療関係者からの相談も受け付ける。
▶︎3ヶ月以上の渡仏の英国人は滞在許可証必要に
英国のEU離脱に伴い、3ヵ月以上フランスに滞在したい18歳以上の英国人は、10月1日から滞在許可証の取得が必要になる。また、英国に入国するフランス人は、従来は身分証明証提示だけでよかったが、今後はパスポート携帯が必要に。ただし、今年1月以前にすでに英国に在住しており、「settled status」または「pre-settled status」を保持する人は2025年まで身分証明書で入国が可能。