カステックス首相は関係閣僚、医師らとともに会見を行い、抗コロナのワクチン接種戦略を説明した。12月末から1月初旬にワクチンが入荷され次第接種を始める見込みだが、その際の優先順位などを発表した。
フランスは合計で、接種2億回分を確保する予定。1人につき2回接種が必要なので、1億人分ということになる(フランス人口は約6700万人)。EUの賛同国と「ワクチンのタスクフォース」を組み、共同でワクチンを注文。参加国には、その人口に応じた数量が分配される。各国に同じ価格で、同じ時期に納品されるようにする。実際に入荷された分の料金のみ支払う。予算は、2021年度の社会保障予算から捻出する(150億ユーロ)。
12月29日には欧州医薬品庁がファイザーと、バイオンテックのワクチンを承認の発表がある。その後フランスの高等保健局の承認。この他にも各ワクチンごとに承認が検討される。
最初のワクチンが欧州、フランスで承認され納品され次第、接種を始める。国内でのワクチン接種を受ける人の優先順位に関しては、高等保健機関(HAS)の指示をもとに政府が決定した。接種は無料、義務付けない。
【第1段階】
老人ホーム居住者とその従業員から接種を開始する。65歳以上の長期入院施設で働く医療福祉関係者、医療運搬者の中でも併存疾患がある人。該当者は100万人ほどで、入荷できるワクチンの数に匹敵する。健康診断、ワクチン接種について説明をし賛同が得られたら接種。
【第2段階】
2月から春まで。75歳以上が対象。その後、65~74歳で併存疾患のある人。次に残りの65~74歳。医療福祉関係者、医療運搬者50歳以上で、併存疾患が一つか複数ある65歳以上の長期入院施設で働く人)。1400万人が該当。
【第3段階】
50〜64歳の人と、50歳未満でも併存疾患のある人。セキュリティー、食品、教育関係者など。
政府は3点に留意しながらワクチン接種を進めていく。
・安全性 : ワクチンごとに高等保健機関(HAS)の承認なしには接種はしない。副作用に関しては、フランス医薬品・保健製品安全庁と社会保障セキュリテ・ソシアルの監視下のもとに、接種された人がトレースできるようにする。
・透明性 : 国民がワクチン接種に関する情報を得られ、接種活動をフォローでき医療のプロと話ができるようなグループを作る。経済・社会・環境評議会(CESE)がその活動に当たる。
・近さ : 国民が、ワクチン接種を信頼関係にある主治医、または近くの医者に接種してもらえるようにする。