Côtes de porc aux figues
豚肉は、骨付きのロース肉でもキロ10ユーロくらいと安いのがうれしい。これを焼いてイチジクを添えれば、胸を張って出せるごちそうになる。肉屋でロース肉を4枚切り出してもらう。イチジクは少々値が張るけれど、一人当たり2個あれば十分だ。ほかに付け合わせはジャガイモのソテーだけれど、時間がちょっとかかるので、これからはじめるのがいい(下欄参照)。
イチジクをよく洗い、縦に二つに切り分ける。フライパンにバターを大さじ1杯ほど加え弱火にかける。バターが泡立ったらイチジクを皮の方を下にして並べる。軽く塩、コショウ、タイムの葉を散らす。2分ちょっとたったらひっくり返す。ハチミツとバルサミコ酢を加えて、フライパンをゆするようにしながら3分ほど火を通す。イチジクを、煮詰まった煮汁といっしょに皿にとり出し、シナモンパウダー少々を振りかけておく。
豚肉の両面に塩、コショウする。大きめのフライパンに油とバターを半々にとって中火にかける。バターが泡立ってきたら、肉を重ならないように加える。焼き色がついたらひっくり返してもう2分ほど火を通し、熱くしておいた皿にとり出す。同じフライパンに半カップほど水を注いで、肉のうまみを溶け込ませたら、生クリームとマスタードを加えて丁寧に混ぜ合わせる。
このころには、ちょうどジャガイモにもきれいな焼き色がついて中まで火が通っているだろう。
各人の皿に肉を盛り付け、イチジクとジャガイモを添え、生クリームとマスタードのソースを肉の上からかける。イチジクが冷めているようなら、電子レンジで温め直すといい。甘酸っぱいイチジクの風味と豚肉の相性のよさ! イチジクがなかったら、かわりに粒の大きいブドウでも同じようにできる。ワインはジュリエナスのようなボージョレの赤が合うだろう。(真)
4人分:豚のロース肉4枚、生クリーム大さじ2杯、マスタード大さじ1杯、バター、塩、コショウ
イチジクの付け合わせ:イチジク8個、ハチミツ大さじ1杯、バルサミコ酢大さじ2杯、タイム少々、シナモンパウダー少々、塩、コショウ
Viande de porc
コルシカやバスク地方産の放し飼いにされた豚の肉がちょっとしたレストランで出てくる。脂身にどこか甘みがあってうまい。といってもこんな豚肉を売っている肉屋はまれだし、あったとしてもちょっと手が出ない値段。幸いぼくらの朝市には 「fermier農家産」豚肉を並べている店があり、30%高いが、その価値はあるおいしさだ。それは無理でも、信頼できる肉屋で、肉質はきめが細かくバラ色がかり、脂身が締まっていて真っ白なものを選びたい。肉の色が灰色がかっていたり、表面が湿った感じのものは避けること。焼いているうちに水気がどんどん出てきて縮んでしまう。
Sauce charcutière
わが家で豚肉のソテーを作るときに活躍するのが、手間のかからない「豚肉屋風ソース」。肉を焼き上げてとり出したあとのフライパンに、エシャロット2個をきざんだものと白ワインを1カップ注いで、肉のうまみを溶け込ませる。塩、コショウし、濃縮トマトのペーストを小さじ1杯加えて混ぜ合わせ、2、3分ぐつぐつ沸騰させる。ここへ、コルニション2、3個を薄く輪切りにして加え、パセリのみじん切り、マスタードを好みの量加えれば完成。トマトやコルニションの酸味とマスタードの辛みが、豚肉によく合う、おすすめソースです。
Pommes de terre rissolées
友人のピエールさんから教わったジャガイモのソテーを紹介。火が通ってもくずれないシャルロット種などのジャガイモを、洗って皮をむく。下煮しないので、ふつうより小さめ、さいの目よりやや大きいといった感じに切り分けるのがコツ。フライパンに油をやや多めにとり、ジャガイモを加え、ときどき混ぜ合わせながら、弱火で20分以上、辛抱強く炒めていく。まんべんなく焼き色がついたら、塩、コショウ。ピエールさんは、そのカリカリッと炒め上がったジャガイモに細かくきざんだニンニクとパセリを混ぜ入れる。うまい!