最近にぎわいを見せるグラン・ブールバール界隈に、2018年の5月に装いも新たにオープンしたL’Office(ロフィス)。オーナーのシャルルさんは、ホテル・ロワイヤル・モンソー、ラ・メゾン・ド・ラ・トリュフを経て、「新鮮な素材を提供できるレストランを」とこの店を開いた。グリーンを基調とした空間は、ハイセンスでありつつも穏やかで、友達のアパートに招かれたかのような安心感にあふれている。また、食器はすべて陶芸作家のJudith Lasryにオーダーしたもので、手造りならではの優しいフォルムに癒やされる。
シェフのシャルリさんはまだ27歳という若さながら、パリのパーク・ハイアットなどガストロノミックなレストランで経験を積んだ実力派。「各皿に個性を持たせること」をモットーとし、クラシックな料理でもモダンな料理でも、それぞれを印象的な皿に仕上げるように心がけているという。料理の内容は旬やシェフのアイデアによりほぼ毎週変わるので、訪れるたびに新たな味に出合えるのが楽しい。
この日にいただいた前菜は、メーグルのタルタル(13€)とブロッコリーのロースト(15€)。タルタルの魚は新鮮そのもので食感もほどよい柔らかさ。隠し味に土佐酢を使っており、親しみやすい味わいだ。ブロッコリーのローストには黒にんにくで旨味と香りをプラス。シェフは過去に何人もの日本人料理人と働いてきたため、日本の食材が大好き。休日のたびにオペラ界隈の食材店に足繁く通って、新たな味を発見しているのだという。
メインにはスズキのソテー(25€)をチョイス。表面がパリッと香ばしいスズキは、中身がふんわりとしてジューシーな良い火入れ加減。柑橘のソースが爽やかだ。鮮やかな色合いのグリーンピースで季節を感じられるのがうれしい。もう一品はシェフのスペシャリテである牛フィレのウエリントン風(29.5€)。たっぷりのフィレ肉をパイ生地で包んであり、ボリューム満点。肉も美しいロゼに仕上がっており、カンボジア カンポット産緑コショウのピリッとしたソースが食欲をかき立てる。
デザートもババ・オ・ラムにtagèteという印象的な香りの葉を使ったり、ショコラのタルトに煎茶を使っていたりと工夫が光る。昼も夜もア・ラ・カルトのみで、予算は50€程度。
L'Office
Adresse : 3 rue Richer, 75009 Paris , FranceTEL : 01.4770.6731
アクセス : Bonne Nouvelle/Poissonnière
URL : www.office-resto.com
12h-14h/19h-22h 土日休